第6話『メッセージ』

「まだまだ、これからよ――人間のお友だちもたくさんいました。動物とも植物ともなかよしです。万世の魔女とお友だちになれないのは、残念だしもったいなかったのです。これは生命の樹から鍵をあずけられたからなのでしょうか。いいえ、女の子には鍵などなくてもみんながひきつけられるものがあったのです」

「うんうん、そうそう!」

 キーツは興奮して言った。

「女の子は鍵でいろんな人や生きものを元気にしていましたが、あるとき生命の樹に呼び出されました。生命の樹はいいました。

「この世界に名のない力という、とてつもないエネルギーが向かっている。あなたはその鍵で名のない力を私に向かってときはなたなくてはならない」」

「ちょっと待って。解き放つ、という表現はどうかしら? 難しいと思うんだけれど」

 トゥーラの修正に、マルクが助け船を出す。

「あとは――単に、向けなくてはならない、とか」

「なるほど。もとい、「名のない力を向けなくてはならない。そうしたら、その力をわたしが吸いとって、新しい世界をつくるもとにしよう」

 万世の魔女はいいました。

「難しいけれど、いっしょうけんめいがんばります」

 こうして宇宙の決まりは変わることになったのです」

「ここまで長かったですね」

「あとひと踏ん張り」

 ルイスがほっと一息つき、ナタルが身を乗り出す。

「宇宙の決まりで大きく変わるのはわたしたちが住むところです。今までは真央界にいましたが、今度はとても大きい丸い星に引っ越します。ちょっとのあいだ真央界で待っていなくてはなりませんが、いい人はみんな大きな丸い星、虹球界に住むことができます。そこは虹がたくさんある、緑がいっぱいのすばらしい場所です」

「いい人、と断ったところがいいですね」

 ランスがくすりと笑うと、ナタルが神妙な顔で頷いた。

「断っとかないと、あとの説明がしづらいですからね」

「さて、悪い人はどうなるのでしょうか? 悪いことをしたから虹球界にはいけませんが、因果界に住むことになりました。因果界も自然がいっぱいですから、悪い人たちもなかよくすればきちんと住めます。それにいい人たちの中に、悪い人たちを助けられる強い人がいますから、因果界は安全です」


「さり気なく、僕ら登場」

 キーツがほくそ笑むと、マルクがポールに注意した。

「ややこしくなるから、それ以上言及するなよ」

「わかってるって。でもさ、こんなもんじゃない? 異世界とかアンビションについては余計な枝葉だから必要ないと思うんだ。だから――他にもたくさんありますが、みなさんに覚えていてほしいのはそれだけです――でいいんじゃない」

「うーん」

 アロンが唸っていると、トゥーラが代案を出した。

「最後のメッセージを入れるのは? それだと片手落ちな感じよ」

「そうかもね。えーっと――それではみなさん、これからたくさんいろいろなことが起こると思いますが、どうか新しい世界についていっぱい勉強してください。そして、みんなで虹球界をすばらしい世界にしようではありませんか。神様への感謝の気持ちを忘れずに――でどうだい?」

「うん、きれいにまとまった」

 アロンが満足していると、オリーブがとんでもないことを言った。

「上出来よ。じゃあこれ、降霊界に提出するわね」

「へ?」

「言ってなかった? 子ども用の教育文を降霊界から依頼されていたのよ」

「聞いてないよ――!」

 男どもの大合唱を意に介さずトゥーラが言った。

「採用されるかどうかはわからないけれど、世界の大変革公表後に世界の子どもたちに向けて発信される予定よ」

「なんてこった!」

 ナタルよりも慌てたのは当のポールである。

「ちょ、ちょっと待った。もう一度みんなで見直そう!」

「いいわよ、これで」

 オリーブは全然気にしてない。

「ま、いいんじゃないの。結構いい線いくと思うけど」

 キーツの呑気さに毒気を抜かれるポール。

「あのなぁ、他人事だと思って」

 トゥーラとマルクが続けざまに言った。

「NWSの総意ということにしておくから」

「草案に名前出してもいいんだぞ、ポール」

「いやいや、いいから」

 タイラーとオリーブが追い打ちをかける。

「やけにしおらしいじゃねぇか」

「照れ屋さん。意外な才能を発見しちゃったわよ」

「そんなんじゃねぇって!!」
















 

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