第4話 梵を悟証し、真知を体解する者へ
我はサハクウィヌス。亜神だ。ある過ちのせいで神の領域に至れなかった。それは他を頼ったことだ。真の智慧、全知に辿り着くのは己の思惟によってのみ悟った者だけだ。私は或るものに騙された。今の私と同じ境遇の者が嫉妬し、我に真理に至る知恵を教えたのだ。未だにそれが悪意からの行動なのかは分からなかったが、それ故に我は真理を悟ることができなかった。
だから彼の者に託した。
そして、彼はやはり全知=全能に至った。
だが、そんな彼でも一つだけわからないことがあった。
『我はなんのために生まれたのか?』
彼は嘆いていた。苦を嘆いたのではない。彼はもう生れ出づる悩みの一切を諦念していた。
彼が求めていたもの。それは同じ場所まで辿り着いた存在だった。だからかな。彼は再び世界を始めることにしたんだ。
Fin
ウパニシャッドを識る者へ 空花凪紗~永劫涅槃=虚空の先へ~ @Arkasha
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