2022.9.30(fri)寄り道散歩



金曜だから帰る足も軽く、ちょっと寄り道をしようかと心も浮ついていた。

菜都奈は学校裏、家とは反対方向の道を歩く。野球場を右に、でこぼこした道を進むと、広々とした広場があった。

初めて知った場所だった。今までずっと近くにいたのに、一本道を逸れただけで知らない景色が広がる。


芝生が一面に広がる。木々は脇に数本生えている程度で、その下にはベンチ。中央の芝生まで歩くと、視界を遮るものが何もない、ピクニックに最適の場所だった。

菜都奈は嬉しくなって、誰もいないのを確認すると、そっと芝生の上に座る。


秋と夏が拮抗している空。こんなに大きかったっけと、気付けば菜都奈はプラネタリウムの如く見上げていた。

今度、ここでピクニックをしよう。もう少し涼しくなったら。

日差しはいつまで暑いのか、ジリジリと焼かれている腕を鞄の下に隠して、菜都奈は立ち上がった。最近油断して日焼け止めを塗っていないのだ。


帰り道、やはり知らない道は面白かった。豪邸、名前の読めない表札、アメリカンな車、野良猫、気になるカフェ……。

今度はあの店に行ってみよう、と菜都奈は夕暮れの道を急ぐ。

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