2022.9.20(tue)休校



昨日の時点でなんとなく予想はしていた。

もしかしたら、と胸にチラついた「休校」の文字。菜都奈はいつもより早く起きてしまった。テレビを見ながら連絡網を待つ。台風の円は菜都奈たちの住む場所をすっぽりと覆っている。外の雨風は紛れもなく菜都奈たちが台風の中にいると唸っていた。


菜都奈と同じく、疼いたのか風輝も眠たそうな顔で起きてきた。テレビを見ながらソファに座る。菜都奈はおはようの挨拶がわりに尋ねた。

「休校の連絡って七時までに来るんだっけ?」

時刻は六時半。まだ連絡はない。テレビのリポーターは雨合羽を着て「わあわあ」と騒いでいる。

「時間とか決まってんの?」


風輝は菜都奈を蹴飛ばしながら、クッションを抱えて横になる。そのまま十分近く二人でテレビを見ていると、電話が鳴った。

風輝が飛び起きて受話器を取る。

「はい……あ、はい、伝えます……」

「! 私の休校連絡!?」

「そうだよ……次回せってさ」

風輝は大袈裟にため息を吐く。


菜都奈は急いで連絡網を回し、一気に覚醒した頭で今日は何をしようかと考えた。ひとまず朝ごはんだ。

菜都奈がパンを焼いて食べていると、また電話が鳴る。風輝が急いで受話器を取り、満面の笑みになった。

「よっしゃー!」

「風輝も休み? 何する?」


「寝る!」

風輝は朝ごはんも食べずに部屋に戻って行った。菜都奈はその背を見送りながら、昼ごはんは何を食べようかと考えた。

テレビのリポーターは風に傘をひっくり返されていた。

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