78-嫌な予感



朝、学校に着き、自分のクラスに行って荷物を降ろしていると、古今泉に話しかけられた。

「おはよう。木々村くん。昨日はどうしたの?何かあった?」

「ん?何の話だ?」

「昨日の朝、私にメッセージくれたでしょ?」

「?」

「あ、いや、いいや。大丈夫」

と、俺に心当たりは何もなかったが、古今泉は何かに納得したようだった。


「何だ?」

「そのことはいいから。ホント気にしないで。ところで今度の土曜日とか日曜日とか空いてる?古文の勉強会しようかと思ってたんだけど」

「そういえば」

そんなことも言ってたな。まだテストまで1週間以上あるが。

「でしょ?期末テストのためにやっておかないとって」

「そうだな」


俺の方としては何も用事はなかった気がする。断る理由はなかった。


「明日にでも」

「うん。じゃあ、明日ね」


「おはよう。明日がなんだって?」


凪元が会話に入ってきた。古今泉がそれに対応する。

「明日、木々村くんと勉強会しようかなって。あ、凪元くん、明日何か用事あった?木々村くんと」

ん?と首をかしげる凪元。唇もへの字に曲げた。


「ほら、昨日の件とか」

古今泉は凪元に伺った。

「あーなるほど。大丈夫だよ。なんもない」

「そっか。よかった。凪元くんも一緒にどう?」


と古今泉は凪元を誘った。

「いや、僕は無理だなー。ちょっと忙しくて」


「そうなんだ」


「うん、ごめん。誘ってくれてありがとね」


俺と古今泉は勉強会をすることになった。

俺が一方的に教えてもらうだけだろうが。


「あと、昨日はありがとうね。連絡助かったよ」

凪元が会話を途切らせず古今泉に続けた。

「うん。あれくらいなら、全然。また手伝えるようなことがあれば言ってね」

「いつもいつも頼ってばかりでごめんね」

「いいんだよ。わたしも混ざりたいくらい」


凪元と古今泉は会話を続けていた。

俺には何のことかわからないことだったので、2人の会話を流していた。



しばらくすると

「じゃあ、教室戻るね」

と古今泉が戻っていった。

「ああ、じゃあ」

「またね」


と別れ際の挨拶をした。


古今泉がクラスメイト達の間をスルスルと抜け、教室から姿が見えなくなった後、凪元が俺に話しかけた。

「木々村くん」

「ん?」

「僕と古今泉ちゃんが話してる間、どんなこと考えてたの?」

「いや、特に」

「ぼーっとしてたの?」


「あー……そうだな。そんな感じだ」

「なるほどね」

「何かあるのか?」

嫌な予感が少しする。

「いや、何もないよ」

「ないのか」

嫌な予感は気のせいだった。

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