第25話 契約って、簡単にいうけれど…?痛みのリアルを、予想しよう!女の子を利用して、いけない契約をさせる芸能事務所も、あるんだぞ。

 「お友達の、2人?契約って、怖いんですからね?これまでは、法律で、18歳未満の子は、何かを契約させられちゃっても、取り消すことができました。やっぱり、やーめた、みたいにね…。法律にある、未成年者の取り消し権というものです。それが、18歳になっちゃったこれからの皆には、適用されなくなっちゃうかもしれないんですよ?」

 そうだったね…。

 「18歳でも、成人扱い」

 「アイドルも?」

 「写真とか、撮られるかな?」

 「ちゃんとした、写真?」

 「やばいのとかじゃ、ないよね?」

 「いけない契約に巻き込まれちゃったら、どうするの?」

 良くしゃべる、友達2人。

 「お母さんは、成人化されちゃう子どもを悪用して、いけないビジネスをしちゃうような大人も出てくると思っています」

 「ですかね?」

 「かね?」

 「アイドルも、そうです。知らない人にいじられてしまうことが、起こるでしょう」

 「はい」

 「はい」

「ターゲットになってしまう子が増えるっていうことは、加害者だって増えると、いうことです」

 「はい」

 「はい」

 「ちゃんと、わかっているのかな?信じていた友達が、知らず知らずのうちに、加害者になってしまうこともあるんですよ?」

 「はい」

 「はい」

 「…」

 「さあ、いきましょう!」

 「はい!」

 「はい!」

 「…」

 アリーナには、100人近くの人が、列を作っていて!

 …なんて、ウソ。

 背広姿の男性が、1人、ポツンと、看板を掲げて立っていた。

 「こんにちは」

 私たちのうち、冷静に言葉を出せたのは、母親だけ。さすがは、本物の成人。

 「本日、オーディションを受けにこられた方でしょうか?」

 「はい、候補者です」

 母よ?

 候補者っていう言い方も、不思議だね。

 「候補者」

 「候補生」

 そういうのって、自分自身のほうから言うものなのか?

 急に、考えさせられてしまった。

 余計な、ことを…。


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