丸
「丸」とはつくづく面白い図形だ、と思う。何を言っているんだと思われるだろうがちょっとここは語らせてほしい。「まる」。まず名前が可愛い。そして漢字が可愛い。漢数字の九にちょこんと点が乗っている。その一つ余計な感じに愛嬌がある。これが「円」になった途端、一切の無駄のない四角四面の完璧堅物スマート野郎という雰囲気になってくるのだから面白いものだ。確かに円というと正円が思い起こされる。漢字自体が角張っているせいもあろう。一方で丸というと円に比べて少しぶきっちょで不恰好なものを思い出す。そしてこの丸という図形、事実多少の歪さを許容している節がある。例えば顔とか目とか手とか、体の部位を丸いと表現することがある。その場合、その丸いものは必ずしも正円ではない。むしろ他の図形に近い場合の方が多いまである。でも、我々はそれを「丸い」と表現してしまうし、丸はそれを許容してくれる。なんとも懐の深い図形だ。
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