第8話 恋文-鳥待月(四月)
貴女を待っていたような気がする。
貴女は
とても美しく、可憐で妖艶な小鳥だ。
その声は私の耳を鮮明にさせる。
私の名前を呼ぶ声
笑う声
拗ねる声
怒る声
私を欲しいと甘える声
いつからか
貴女の声を私だけのモノにしたいと
考えるようになってきた。
それはきっと
猟奇的なことだろう。
胸が高鳴り
全ての血が凝固するような感覚
目玉がこぼれ落ちてきそうなほどの興奮に
自分を制止することは出来そうにない。
貴方の唇には
この
針を貴女の唇の内側から外側へ
上から下へと。
糸と
貴女の血が混ざり合って
ビー玉のような涙も美しい。
貴女は私のためだけに
鳴く小鳥。
私のためだけに
泣いて欲しい。
私を
貴女の声だけを聞き
貴女だけを見つめる
私には
貴女しかいないのだ
だから
もう羽ばたくな
ずっと
私の
來宮 理恵
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