第13話 初陣
目覚めの悪い朝だ。奇襲を警戒して仮眠しかしていないのだから当然だ。
「さて、初陣と行きますか。」
とは言ってもやることは初見殺しだ。勇者と言い何と言い倫理観やら道徳観やらが死んでいる気もするが有効的な戦術である事は間違いない。そもそも今回はまともに戦っても勝てないし。
前線の砦に来てみたが魔王軍はまだいないらしい。聞いた話によると不規則にゲリラ戦を仕掛けて来るとのことだ。これも転移魔法のなせる業だろう。しかし、明確なデメリットもあり人口密度が高い所には転移できないのだ。街中に転移できないのもこれが原因だ。つまり何が言いたいのかと言うと、砦の前に転移するのは確実なので罠が効く。罠といってもそこらの土を濡らして泥沼状態にするだけで十分だ。ドーピングの時間を稼げば勝確なのだから。
「敵襲!敵襲ぅ!」
来たようだ。とにかく、薬を暴飲暴食!デブ時代に培った技術がこんな所で役に立つとは。バフが済んだら兎に角派手に魔法を使う。
「DES OF DESPAIR!」
恥ずかしいが派手さをアピールするためだ。仕方ない。
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私はデルフィルと申します。魔王軍四天王の一人で転移魔法が使えます。今回はもゲリラ戦で人間どもを消耗させる予定でしたが、謎の少年に出待ちをくらい私以外全滅しました。咄嗟に転移魔法を使い、私だけは難を逃れることができました。ただ、あまりに突然のことで同胞を転移させる隙が有りませんでした。
「こうなった以上撤退しかありませんねぇ。しかしあの少年はここで殺さなくては。」
彼の魔法が産み出した惨状は地獄そものもでした。同胞達が喉を掻き毟りながら窒息死していったのです。幸い私の存在に気が付いていないようなので不意打ちで一発で殺しましょう。
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さて、本当の勝負はここからだ。
できるだけ隙を見せて後ろから襲わせる。とはいっても戦闘は素人なので、反応する訳ではなく敢えて切らせて隙を作る。そのための不壊付きの装備だ。後は1536倍パワーがどうにかしてくれる。
「やるか」
そう呟き、ゆっくりと戦場から背を向け歩きだす。
「おや?油断とは頂けませんねぇ。」
声と同時に走る衝撃。しかし、無傷だ。
「待ってたぜ!」
即座に振り返りながら、その遠心力をメイスに乗せ叩きつける。同時に改変魔法で転移魔法を使えると言う事実を改変する。
「がはッッッ」
メイスは横っ腹に肉薄し、あまりのパワー故に肉を抉り腹の中心部まで食い込んでいた。
「チッ」
咄嗟の判断でメイスを離し両手を首に添え全力で力を入れた。ゴキュゴリゴキュととてもこの世のもとは思えない悍しい音を立てて潰れた。まもなくしてデルフィル息絶えた。
「おェェェーヴヴー」
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ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
初戦闘がワンサイド過ぎたでしょうか?
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