第23話 Rescue!
「もう8階層か…」
僕がダンジョンを探索し始めてから4時間。上層を吹っ飛ばしたとは言え、もうあと少しで最下層。
(こんなに短時間で探索できると思っていなかったなぁ〜。このダンジョンのボスまで倒したら次何しよう?)
予想以上に探索が捗って、長島ダンジョンを今日中にでも攻略できそうな可能性が出てきてしまった。
忘れているかもしれないが、このダンジョン探索は黒部さんがクランを紹介してくれるまで暇になったから来ているのだ。
(暇つぶしを1日で終わらしてしまう…。あるあるだけど恐ろしい……)
と言っても、もう8階層。ここまで来てしまったら、最後まで行ってしまっても誤差というものだ。
「それじゃあ進んで行くとしますか!」
結局僕は、今日に長島ダンジョンを探索し終える事にし、どんどん先に進んで行く。
――――――――
話は変わって長島ダンジョン8階層のモンスターについてだ。
8階層は、さっきの7階層が百足やら、蜘蛛やら、虫っぽい奴ら(コウモリもいたけど)が出てきたのに対して、8階層は爬虫類系のカメレオンやら、トカゲやら、亀やらが出てくる。
また、7階層の敵は搦手が特徴的だったのに対して、8階層の敵はカメレオンを除いて真正面からぶつかってくるという点もあるだろう。
カメレオンについては、とっ
「はぁ!!」
僕は何処からともなく跳びかかって来たカメレオンを切り裂く。
正式名称をコンシールカメレオンと言い、名前や、カメレオンの特性と全く同じように姿を見えなくし、隠れて奇襲をすることに特化しているモンスターである。
前に話に出てきた、魔力を隠すことができるモンスターの一体でもある。と言っても、完全に隠すことはできないから注意をしていれば気づくこともできる程度の隠密力だ。
あれから数十分後。
カメレオンに気をつけながら先へ進み、鋼鉄より堅い甲羅と皮膚を持つ亀、ヘヴィートルテュ、素早い動きで翻弄し鋭い毒爪で掻っ切ってくるトカゲ、ヴェロキラケルタと遭遇して戦闘を行い、順調に探索できていた。
周りに敵がいないことを確認して僕が少し休憩をしていた時。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
細い通路に反響し、誰かの悲鳴が僕の耳に飛び込んでくる。
それと同時に、
『《クエスト》が発生しました。
《クエスト》 「Rescue!」を開始します。
凶悪なモンスターの魔の手から逃げる少女を助けなさい。
なお、報酬は新たなスキルです』
と頭の中に無機質な声が響く。
「さっきのは……」
僕はあまり人と関わることができないような陰キャではある。けれど、この状況で助けに行かないほどクズではない!
僕は意識を集中させ、「救難センサー」で悲鳴の主が何処にいるのかを探る。
すると、直ぐに助けを求める大きな思念が僕の頭に届いてくる。
できるだけ早く助けるためにも僕は駆け出す。
けれど、
「クソッ!」
ここはダンジョン。ここのモンスターは少女を襲っているであろうモンスターだけではない。
僕の目の前にモンスターが立ちはだかる。
「よりにも寄ってヘヴィートルテュか!!」
相対するのは耐久力が高く、倒すのに時間がかかってしまうヘヴィートルテュ。
しかも、体が大きいヘヴィートルテュは通路を塞ぎ、避けて通れないような状況になっている。
ヘヴィートルテュが堅い甲羅を使って、シールドバッシュのような攻撃を繰り出してくる。
こちらも装備している盾で対抗し、圧倒的な身体能力でヘヴィートルテュの巨体を押さえ込む。
そして、カウンターとして首に斬撃を与える。
堅い皮膚は剣を弾き返すが、流石に無傷とはいかず、うっすらと切り傷ができている。
普段ならばこうやって少しずつ削っていくのもいい。
(けれど今は時間が無いんだ)
僕が切りつけたことで、距離をとったヘヴィートルテュの顔に「空斬」を放つ。
不可視の斬撃をもろに食らったヘヴィートルテュは目を閉じてしまう。
「今だっ!!」
その隙に僕は甲羅の上を飛び越え、亀の向こう側へと着地する。
その後も、何度かモンスターと遭遇するが「空斬」で先手を打ち、倒すか気を逸らして横を通り抜けるかしてやり過ごす。
そうやって、迷路の中を突き進む僕の視界に一つの人影が写り込む。
「見えたっ。あれが《クエスト》の言っている少女か!」
更に少女の影ともう一つ、今まさに少女に飛びかからんとするカメレオンの影も見えてくる。
少女は他のナニカに気を取られているようで、カメレオンに全く気づいていない。
「っ!届けぇっ《空斬》!!」
僕が走りながら放った「空斬」はどうにか届き、少女に飛びかかるカメレオンを寸前で切り裂く。
「大丈夫かい?」
寸前まで気づいていなかず、切り裂かれたカメレオンを見て座り込んでしまった女の子に声をかける。
「は、はい」
「そうか。無事なら良かった。でも一応、見させてくれ。《
僕は取り敢えず近づいて、「
「怪我はなさそうだね」
「そういうスキルですか?」
僕が怪我がないと言い切ったのを不思議に思ったのか女の子が聞いてくる。
「う、うん。そういうスキルがあるんだ。あっ!も、もしかしてスキルで見られるの嫌だったかい?」
「いえ。大丈夫ですよ」
そう言うと女の子はくすりと笑う。女の子はよく見ると黒髪のショートヘアがよく似合う可愛らしい子で、僕は少し見惚れてしまう。
「どうしたんですか?」
固まってしまった僕に彼女が話しかけてくる。
「あ、あぁ。ごめん。なんでもないよ。それより、自己紹介をしよう。僕の名前は水谷 明って言うんだ。君は?」
「私は
来栖 灯、彼女の防具はボロボロでとてもダンジョン探索できる様子ではない。
「そうなんだ。ところで、来栖さん。装備がボロボロだけど何があったの?」
僕がそう聞くと、彼女は少しずつ話し出す。
―――――――
後書き
明君は、事務的な会話ならば充分(ぎりぎり)できます。
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