第9話 武器選び

「この中から、君に合う武器を探そう」


と、部屋に入った僕に振り返りながら黒部さんはそう言った。


「すごい量の武器ですね…」


 僕は、入ってきた部屋が大量の武具に溢れているという光景に気圧され、思わず呟いた。

 黒部さんが言うには、この部屋には世界中のありとあらゆる武器が集められているそうだ。何故、銃は除くのか黒部さんに聞いてみると


「銃は人を殺すため特化した武器でモンスターには余り効かないんだ。さらに、前に銃を持ったハンターが暴れてね、そこから銃は使っちゃいけないことになったんだ」


と答えが返ってきた。


「特定の武器に適性のある才能スキルだったら、その適正のある武器を使えばいいけど君のは恐らくないだろう?一応、ステータスをスマホから見せてくれ」


 僕がステータスを表示すると、表記が最初の時と違っていた。


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 ステータス


 名前 「水谷 明」 年齢 「14」 種族 「地球人」

 性別 「男」


 ユニークスキル 「レスキュー:Lv-」 機能 「クエスト」

  派生スキル 「救難センサー:Lv1」 「診察コンソルテイション:Lv1」 「メディキット作成:Lv-」


 基礎スキル 「ステータス:Lv-」 「地球言語:LvMax」 

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「あれ?ステータスの表示が変わってる?」


 僕が疑問の声を上げていると、黒部さんが横から覗きながら、


「ん?あぁ、そういえばまだ明君にステータスは常時更新されているって言って無かったか」


「どうなってるんです?それ」


「ステータスをどうやって更新しているのかとかは、機密情報になっているらしくて俺もよくわからないんだ」


 そして、僕のスキルを一通り見終わった黒部さんからやっぱり、特別に適性のある武器はなさそう、自由に選んでくれと言われた。


「刀とか一度触ってみたかったんですけど…」


 部屋に入ってから真っ先に目がついた日本刀に触れながら僕が黒部さんに言うと、


「あぁ~刀、か。刀は重心の捉え方が難しくて、慣れないと上手く振ることすらできないぞ?それに、刃を立てないと簡単に折れてしまうからあまりお勧めできないかな」


「そうですか…」


 ならば軽い方が良いのかと思い、ナイフを持って


「じゃあ、ナイフはどうですか?」


と聞くと、


「ナイフは敵との距離が近くないと攻撃すらできないから大変だぞ」


「…………………………」


「じゃあ、これは?」


「それは―――――――」







 その後も、何回も選んだ武器をだめだしされ最終的に、


「こ、、、この、片手剣と小楯にします」

 僕の武器は、最もシンプルなものに決まった。


「うん、それだと攻撃も守備も均等でいいだろう。…そうだな、先ずは片手剣だけ持って構え方の練習をしてみようか」


 

「え?黒部さんが指導するんですか?」


 黒部さんは、高身長だががっしりしているというわけではなくほっそりとしていて、ザ・事務職といった体系をしている。因みに、髪は長めの黒い短髪、爽やかとした印象を受ける格好をしている。


「一応、俺も戦えるんだよ。それに、俺の人を視るスキルは指導にも使えるんだ」


「すみません。あまりイメージが湧かなくて」


「いいんだ、よく言われる。それより、いったん外に出よう。此処で剣の扱い方を学ぶのには狭すぎるからね」






 どうやら、僕が入らされた建物は武器を扱うのが初めての人が集められているようで建物に付属している屋外の練習場には僕と同じようにハンター協会の関係者っぽい人に連れられている人がちらほらいた。

 その中を、黒部さんの後ろに付きながら歩き少し開けた場所で黒部さんから木剣を渡された。


「先ずは、木剣である程度、剣を振ることができるようになろう。その次に、刃をつぶした剣。その後で、ようやく真剣ってことになるかな。ってことで、早速練習を始めよう。最初は剣の持ち方からだね」


 僕が選んだ剣は十字鍔のある、アーミングソードに近い形をしたロングソードの片手剣である。


「この剣の持ち方は、柄の裏刃側、つまり切る方じゃない側に親指と人差し指の間の付け根のV字になっている部分に合わせて持つんだ」


「それで持ってみたら、次に立ち方だね。立ち方は………………………




―――――――




 もう日も傾きかけ、人の影も少なくなってきた練習場。その少なくなった影の内の二つ。黒部と明も漸く練習をやめ、帰る準備をしていた。


「明君、頑張ったね!まだまだ、甘い部分もあるけど練習した時間の分だけ上手くなっているから。また、明日も此処に来てくれ」


「はい!」


「あっ、そうだそうだ。はいこれ」


 そう言って、黒部は明に簡素なカードを渡した。


「これ何ですか?」

 

 謎のカードを急に渡された明は当然、疑問の声を上げる。


「それは、ハンターじゃないけど見習いとしてここで練習するのを許可されているよって証明するカード。此処は、ホントはハンターだって証明するカードが必要なんだ。それが、その代わりって事。じゃ、今日はこれで終わるけど家に帰ってからも筋トレとかで体を鍛えるんだよ!」


「分かりました。さようなら~」

 

 そうやって、黒部と明が別れた瞬間、


『《クエスト》が発生しました。

《クエスト》 「レスキューに必要な体作り」 を開始します。

 二週間続けて一日一回筋トレをしなさい。なお、メニューは

 腹筋 100回・腕立て 100回・背筋 100回

 腿上げ 30秒を5回 となっています。これらは、腿上げ以外は連続30回から回数がカウントされます。

 なお、報酬は身体強化となります』

 

 唐突にクエストが始まった。




――――――――

筆者 「剣の持ち方は出てきた以外の方法もありますが黒部さんが紹介していないのは見逃してください」

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