風の不安
ⅰ
威力を失い
背中を丸め
凍えた平面の彼方に
生温かい慰めを求める
歪んだ心のように歪んだ指がまさぐる
くもった鏡の仏頂面
組み合わせた指がゆるやかに
うなずく
信仰のないリズム
保存された影だけが
ひたひたと
ひたひたと明日を占う
ⅱ
飢えを問えば
かろやかな満腹のリズムに
ひとつの言葉が
螺旋に私をとらえる
一定した振動のかすかな空白に
私は呟くのだろうか
誰? と
ⅲ
肺臓から抜き取られた風景の
遠く佇む雑踏に
いともあっさりと抜き取られていく風景の
連なり 断片のひとひら
ひとひらに 哀願する
語れぬ 悲しさ
語らぬ 悲しさ
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