唇は震えて

唇は震えて



             あなたは 僕の深淵に接吻する

             もしも僕の肺が喇叭になったら

             あなたをもの淋しい小径に誘いこむだろう


             急に辺りがひらけたようで

             あなたは陽射しが

             ちょっと立ち止まったまま動かない陽射しが

             透明のままひしめいているのを見るだろう


             僕の深淵に接吻する唇は震えて

             ふたりは

             誰も追いかけてこない

             夜の中に深淵を探しにいく



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る