さらにプレリュード

さらにプレリュード


 彼の呪われし 小悪党の憂鬱は

 ひと降りの雨に混じり 倦怠の宇宙に

 郷愁を 不安を持ち去る

 奴等の唇に浮かぶ青白い歪み

 あるいは

 なおもひたすら遁走への前兆れでもあるのか

 繰り返される時代の内部に沈黙してきた

 後ろ向きの陽溜りに巣食う  憎悪


 はるかに地平線の滅ぶ辺り

 声が静かに押し開く

 時代への突破口へ

 唇を重ね

 黄昏に沈み給え

 消滅点への空白へ

 震えている退屈気味の憎悪を抱えて


                翔べ

                万華鏡の内部

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