りぼん娘はいちごのタルトが好き

首に大きな大きな大きな、まっかなリボンをつけて

あの子が笑いかけてきた


「ねえ。これ、ほどいてみたい?」


ぼくは気になって 気になって 

しょうがなくなって


ちらりとのぞく首が白くてきれいだったから

くびすじの青い線が気になったから


ぼくはどうしてもどうしても気になって


……そう 言ってしまったから



女の子はゆっくりとリボンをほどくと

首をつないでまつりぬいしていた糸が

ゆっくりと抜けて

首から血を吹き出して

少し間が空いてからばたりとたおれて


血走って引きつって

にらむような笑顔がこびりついて 

どうやってもそのままで


ぼくが言ってしまったから

気になってしまったから


ぼくのせいでこんなバラバラが

こんなに吹き出してどろどろで


こわくなってにげだしてしまった


もう四年生なのに



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短編集(1話あたり2分で読めます) 長瀬 @nagasetole

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説