第5話

彼女と付き合う前から、僕の足はもっぱらバイクだった。

だから、買い物とかデートも歩くかバイク(250cc)

タンデムで、風を切りながらのデート、まぁ、

普通なら後ろから「ギュっ」なんて背中にぷよぷよ感が…なんて最高なのだが、思い出して欲しい。持病を。

そう。薬で抑えてはいるが、いつ発作が起こるかも知れないのだ。気が気ではない。乗っている間は、常に彼女に頭痛はないか、と聞き続けるのだ。

まぁ、耳が聞こえないので、人差し指で頭を2~3回トントンとジェスチャーで確認するんだけどね。

車に乗り換える迄は、それこそ神に祈るって感じだったよ。毎回。

神頼みが効いたのかどうかはわからないけど、発作はバイクの上では一回も無かったなあ。奇跡か?

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