第44話


あとちょっとでお昼休み…


ラブレターの事ばかり考えていたから、先生の話がほとんど頭に入らないよ、特に数学はね…


早く終わらせてゆっくりしたいな~…


「 x軸とy軸が交わる……となります


『キン コン…』


みんな、復習してきてくださいね~! 」



「 きりーつ!れいッ!… 」


『 飯だ! 』



セイカくんがいない



「 ねぇちび、今日は何を作ってもらったの? 」


「 人聞きわるいよ… 」


「 自作!? 」


「 つくれればいいけどね〜 」


「 なんだ、びっくり…いっしょ、あたしも… 」


「 な~んだ、女子力ないなあ、ふふッ人のこと言えないね!」


「 それより腹減った、早く食べよ! 」


「 あ、ごめん…あの、ちょっと…例のアレを決行するの…ほら…これ… 」


周りに見えないように、さよに例のモノを見せた。


「 やるの?…そっか、頑張ってね、影で応援してるから……!?… 」


「 どうしたの? ねえ、さよ? 」


私の後ろを見ながら、目線をそらし上目遣いになっている紗世


「 ちょっとちび? 今さ、あのメイクの濃いストパーのが…ちびのこと、ずっと見てたよ… 」


「 …もしかして… 」


私が後ろを振り向いた時にはもうすでに、彼女は廊下へ出た後だった。


「 雅…さん? 」


「 そう!なんかツンてしてて、あたし苦手…でも、なんでちびを見てたんだろ 」


「 さあ? 私、なにかしたかなぁ… 」


「 なにかの間違いとか?…それより、いいの? 例の? 」


「 あっ!いかなきゃ、それじゃあ 」


「 幸運をいのるよん! 」


「 りょ! 」


紗世に手を振りながら私は教室を出た。

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