第22話


ガランとしたホームを走り抜け、改札を出て見慣れた街に降り立つと、ピンク色の傘がガバッ!っと開く。



早く行かなくちゃ!



商店街を過ぎて堤防沿いの道に出ると、前に橋が見えて来た。


相変わらずの雨と風で、制服はずぶ濡れになっているが、そんなことはどうでもよくなっていた。


しばらくしてあの橋の下に着くと、急いで河川敷へ行こうとした…が…


「え~!…信じられない…」


ない!…


河川敷が…


「ないッ!」


川の水が増水して、河川敷まで水が来ていたのだ。


早くしないとワンちゃんが!…


今ならまだ行ける…


川岸からあの橋桁を見ると、白いものが見えた。


あれは…!?


…いたッ!ワンちゃん!




「お~い!今行くから、待っててーッ!!」

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