第21話

こんな時間に、帰りの電車に乗るなんて、思いもよらなかった。


はぁ…


誰もいない車両に1人座ってため息をつく。


ワンちゃん大丈夫かなあ

あそこから落ちたりしてないよね

お腹とかすかしてないかなぁ

寂しがってるだろうなぁ


心配…


でも…


もしかしたら飼い主さんがもう来ていて、あの子を連れて帰っているかも知れないし…



窓をぼぅ~と見ながらそんなことを考えていた。



雨の景色をしばらく眺めた後、車内に目線を変えると、ひとつ隣の車両の奥に学生っぽい人が1人乗っているのが見えた。



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