第10話



「 まさか、知らないとかないよね 」


「 顔と名前くらいは知ってるけど… 」


「 だ、だよね…そ、その矢口くんがね!

奈々瀬さんのことがいいって…」


「 ん? 何がいいの? 」



へぇ!?………



真谷さんは固まってしまった。



「 あの、真谷さん?」


「 え?あ…あの矢口くんが、奈々瀬さんのことをいいって… 」


「 あの、私…そういうのまったく興味ないから…それじゃあ… 」


「 ちょ、ちょ…待ってよ!…じゃあ、放課後!

またね! 」


もちろん、矢口くんは知っている。


学級委員もしていたし、明るくて、いつも男子や女子やみんなとワイワイしている人気者だ。


その矢口くんがいいって?意味がわからなかった


それより私は、本の続きが読みたい


せっかくいいところだったのに、お昼休みが終わってしまう。

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