第17話 4角関係?
阿久津の恋人を初めて見た美玲は
ショックを受けていた。
『あ……阿久津くん?』
阿久津は、ひろしを心配して
来たことに、美玲は複雑な心境だった。
その人は……?と美玲は言いかけて、2人の雰囲気で
恋人同士だと言うことに、
美玲は言葉を失った。
ひろしの方を見ても、2人の事は知っている様子だった。
ひろしは、阿久津の方を向くと
『俺…………。』
と……黙ってしまった。
阿久津が……美玲に手を差し伸べると、美玲は躊躇しながらも
阿久津の手を取る。
美玲が……立ち上がると、阿久津
の恋人は、美玲に挨拶をした。
美玲が……阿久津の方を見ながら
『どうして?』
『どうして?阿久津くん。
私達の約束は?…………』
阿久津は、美玲の問いに
一呼吸置くと、
『悪ぃな。お前のお守りに
嫌気がさしちまってな……。』
その言葉を聞いた、次の瞬間に
美玲は阿久津の頬を引っぱたいた。
そんな阿久津の、思ってもいない
言葉を聞いたひろしは
阿久津に心底、感謝していた。
阿久津の頬を引っぱたいた美玲は
『もういい!!』
と……アパートへと帰ってしまった。阿久津は、少し寂しげな
表情を浮かべると……
『これで、良かったんだ』
と……自分に言い聞かせているかの様だった。
阿久津が……まだ美玲に
気持ちがあるのが……ひろしは
ありありと理解出来た。
ひろしは、阿久津の引き際に
胸が痛んだ。
『ひろし…………』
阿久津は、阿久津で苦しんでいた
阿久津は笑顔を無理矢理作ると
ひろしを慰めた。
『ひろし……実はな?俺は……
俺は……美玲以上の女を探してた。けどな?……いねぇんだよ。
俺は……美玲の姿を見ると、
正直想いが募るさ。
だけど。お前とは親友で居たいから。俺なりのお前への
祝福だと、思ってくんねぇ?』
『なっ…………?』
同じ女性を、愛したモン同士
阿久津も、ひろしも
胸が痛んだ。
『俺…………とりあえず仕事に
打ち込むわ。ハハっ……』
阿久津の頼りのない笑い声を
聞いてると
ひろしは、思い切って行動を
起こした。
アパートへ入って行ったかと
思うと、嫌がる美玲を、ひろしは
強引に連れてきた。
『痛い!痛いって?!何するのよ!もうたくさんだわ?!』
『私なんか、どうせ邪魔者
なんでしょ?!やめて!!』
と……その時、ひろしが美玲を
強く叱りつけた。
『あんた。阿久津が
あんなセリフ吐くのが……
嘘だったって……分かんねぇ?
2人は、今でも思い合ってんだよ!!!友情の為?!
笑わせんなよ!!!てめーら
いい加減にしろよ!!!』
阿久津にも、美玲にも、
2人に対して、ひろしの気持ちを
ぶつけた。
『い……いい加減に』
ひろしは言葉を失った。
美玲と、阿久津は
お互い、涙を流しながら
ひろしの前で
強く強く、、、。
気持ちを確かめ合うかの様に
抱き締め合った。
美玲は、阿久津の胸の中に
すっぽり収まると……
久しぶりに喜びを感じては
阿久津の名前を何度も
呼んでいたのだった…………。
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