その眼差しがすべてを見抜く、黒板の前で起きた推理劇
- ★★★ Excellent!!!
日和崎よしな 様の作品『テレパシー・ブロッカー』は、単なる中学生のいたずら心では語れない、知性と観察力の勝負の物語です。
まるでクラス全体が謎解きの舞台に変わるような、微細な描写とユーモアが光ります。読者は早怜真実の視点を通じて、緊張と好奇心が入り混じる“日常の魔法”を味わいます。静かな黒縁眼鏡の輝きが真実を照らし出す瞬間、胸がふわりと熱くなる――そんな丁寧でやさしい読後感。
これは青春という名の推理劇、まさに“見えないものを見る物語”です。