第13話 唯一
夕べあなたから渡された
鍵を握りしめ
足早に部屋へ向かうが
期待は裏切られ
そこに愛しい人はいない
リビングに入ると
待ちくたびれたのか
あなたはソファーに横になり
寝息を立てていた
暫く眺めていたが
触れたい欲望に負け
そっと頭を持ち上げ
膝枕をする
次から次へ
欲望が騒ぎ立てる
それを抑え込み
そっと口づけ
髪に触れる
あなたはゆっくり目を開けて
俺を見ると
慌てからだを起こし
「ごめん
なんだか
横になったら…」と
俯くあなたが愛しくて
おいでと言いながら
あなたの手を引く
あなたは俺の胸に
しがみついて
泣き出した
俺の腕の中で
泣きじゃくるあなたは
今夜俺の唯一の人になる
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