海へ行きたい

戸海

海へ行きたい

息が白く霧を産む師走

浜辺に染み込んだ屋台骨の名残


青と浅葱の上に雪と絨毯が咲く季節



肩の上に斧を載せて

手袋越しに握る


氷平線で踵をならして

氷を打つ、討つ。

海を割る、割る、

砕く


遠くにゆらぐ無数が

覗くさけめ


どうせ往くなら氷の海へ、。

誰かの中の凍った海へ:

委ねられた斧として、


一個の他人として。


海へ行きたい

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海へ行きたい 戸海 @tooumi

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