78日目 部活労働

 最近では部活として労働することに対して抵抗感を覚える人は少なくなった。昔は、部活は教育の一環ということで金銭のやりとりとは切り離されていたという話をきく。僕からすれば、変な話で、教育だからこそ金銭のやりとりが行われるべきなのではないかと思う。


 川中高校の社会科研究部は名門と言われる。それは経営している宿にも現われていて、広い立地に温泉もあり、旅行サイトでの評価は星4.5を超えている。もともとあった老舗の宿を買収した後も、評価は下がるどころか上がっているほどだ。

 中学時代から、社会科研究会に所属していた僕にとっても川中高校は憧れの存在だった。受験勉強に励み、川中高校に合格した後、社会科研究部の入部面談や研修を乗り越えて入部できた時の感動は忘れない。

 それからも必死に二年間過ごしてきて、僕はなんと部長として指名されることになった。


 社会科研究部の部長の朝は早い。まずは夜番の人から引き継ぎを行い、各箇所の掃除を行う。それから家庭科クラブの面々に朝食を作ってもらい、それを各部屋に配る。

 部員達は交代で日中に授業を受けに行くのだが、部長にもなると授業に参加するのは難しい。幸い、先生方は部活に理解がある人が多いので、その先生達に頼み込みなんとか授業の単位を確保している状況だ。

 授業が終わった面々から、また部員として宿の従業員としての役割を果たす。夕方が一番大変なタイミングでフル稼働する。僕は逆にその時間が一番余裕があるので、お金の計算をしたり、学校の勉強を行う事になる。

 夜になったら夜番の人に引き継ぎを行う。部員達も皆泊まり込んで部活をしているので、引き継ぎを行った人から宿の裏手にある寮に向かい、休みに入る。


 正直言って、大変な部活だ。けれど、皆で一緒の事をしていると不思議と楽しさもある。本気で仕事をするからこそ分かる部分もあると思う。

 そう思いながら、僕は明日も部活に励むのだった。

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