第11話 幼馴染 1
私は祖母と、その孤独に死んだ妹の事を思い出した。
そして、未決着なのは不完全燃焼な事は、苦しみを生むと。
私の祖父が議員になってから、優秀な人材を育てた話に出て来た
その家には、三人の男兄弟がいた。
年齢差がある程度離れており、私は次男と同級生だった。
そして長男である人は、私よりも四、五歳ほど年上だ。
彼のせいで、私の人生が大きく変わった。
彼も母も同様であった。
ソクラテスの有名な言葉のひとつである。
「無知の知」つまりは、自分が無知な事すらも知らない事は、
知らない事を知っている事よりも、罪深いという意味だ。
私は一度目の自殺に失敗し、その教訓を踏まえ、
二度目は失敗しないように念入りに、自殺を遂行した。
しかし、目が覚めた時、私はビンタされていた。
そこで初めて、私は死んでいない事に気づいた。
有毒ガスを海外から購入し、吸入マスクは家の一階の病院から
取ってきて、意識が無くても、動く可能性はある為、
絶対に吸入マスクが外れないように、テープで固定した。
そして安らかに死ねるように、一度目に失敗はしたが、
その効果の程は実体験で分かっていた為、同様の睡眠薬を
家と海外からも購入し、
一度目は約800錠を一気に飲んで、3日間完全に起きなかった。
起きても立つ事が出来なかった事を考え、錠剤を500錠ほど
飲めば、充分に2日程度は寝る。つまりは吸入マスクを通して
有毒ガスで確実に死ねる。
私は決して、安易に死を選んだ訳では無かった。
充分に自分なりの方法で書くのはまだ先になる事だが、
それを理解するにはそれまでの道のりを話すしか無いからだ。
そして道のりを話しても、理解出来ない人もいる。
その人数も少なくない。その為に今、書いている。
私はその年上の幼馴染にビンタで意識を取り戻させられて
この世だと知り、私は一言目に言った。
「何てことをしてくれたんだ」と。
幼馴染と言っても、私のほうが遥かに知識も豊富で
考えも深く、物事の対処も上だった。
それは私が若い頃から決めたルールで
一日に必ず知らない事を一つ以上知り、理解すると言う事を
実践し続けてきたからだった。
その反面、彼は何も知らなかった。
「何があったの?!」と言われ、
「君には理解も出来ない上に、信じる事さえも出来ない」
と私は言った。これは私の経験から得た知識のひとつであるが、
ある程度近しい程の、頭の回転が速い者同士は
一言も発する事をせずとも、相手がどれほど賢いか分かる。
言動や目を見れば、それが真実なのか、まだ隠しているか等
見えて来る。
だから、私は彼には理解出来ない事を知っていた。
彼は飲みに行って話を聞くと言った。
私は彼に話した所で、信じない事を知っていた。
その対策として、私は母親に言った。
「お前も来い。絶対に来い」と。
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