バウンダリ編 第4章 第05話 意義

 いきなり上から来週に訓練をする、対象は士官学校1年の魔法学科だ。

 などという、連絡が来た関係者は頭に?を浮かべながら、監督できる隊員に連絡を取り日程を調整していく。


 実際、組まれたカリキュラムは我々でもつらい、日程は厳しく本来は4週をかける訓練を全行程飛ばして初日基礎訓練、その後3泊4日の試験に入る、1日目に渡河ありの林間走破およそ10kmクライミングや懸垂下降まで入っているような過酷なコースだ。


 話を聞いた時後藤曹長は、上の考えているこの訓練の意図をつかみかねていた、ひょっとすると成績優秀だがはねっ返りが多く締めるためで、脱落させるのが狙いかとも思ったがそのためだけにレンジャー試験まで行うのは行き過ぎている訓練が足りていなければ、普段受けに来る推薦を受けた現隊の連中でも事故を起こすことがある、それだけ過酷で厳しい訓練だ、その後も首をひねる後藤だった。



 1週間後、バスに乗り奴らはやって来た、まだ幼い感じが残りこれから受ける訓練に緊張が少しはあるのか真面目そうな顔はしている。


 時間がないため到着早々訓示を行い装備を配布、確認とマップについて説明していくが、先ほど訓示から後、妙に気が抜けた感じがある、さすがに無駄口をたたくような奴はいないが明らかに緊張感がなくなった、おいおい大丈夫かこいつら? 女性隊員もいるが装備を軽々背負う???


 出発時刻になり誰かが一言。

「戦闘はない、いくぞ」

「はい」

 それだけで、一気に駆け出していく・・・


 あいつら山道を10kmって忘れているんじゃないか? いきなり全力疾走か・・・? 冗談じゃない装備は50kgあるんだぞ。


 まあいいすぐにへばっているだろう、あらかじめ決められた表に従い教官各自は出発を始める。

「さて学生たちのフォローに向かうか」

 


 おれは、学生たちの後ろを追い脱落者にはっぱをかける役割だ、人間だめだと思ってもそこから少しは無理ができる、さて行くか。


 踏み後を確認し、間違いがないことを確認する、そこから少し小走りで追いかける、15分ほどが経ち、いまだ脱落者の影がないことに驚嘆するあの速度は最初だけですぐに落としたのか、そうでなければ今頃ここいらにごろごろ動けなくなった奴らが居るはずだが・・・まだいないな。


 訓練開始から40分も過ぎたころ、無線に入感があった、受信するとすでに立岩と呼ばれる崖をクライミングしているらしい・・・はぁ?

 いかん、いきなり引き離されている今から行っても間に合わん、奴らはフル装備でこっちは手ぶらこれで追いつけないとは・・・〈すまない、生徒たち脱落は居そうか?〉



〈いや、全員いるな〉

〈わかった、ちょっとこっちはショートカットする〉



 これから、何処まで回り込むかを地図を見ながら考えていると、また無線に感があり。

〈奴ら無茶苦茶だ、崖を飛び降りた・・・カモシカみたいにあっという間に降りていく〉


 くっ、俺らの常識じゃあだめだ、渡河先の崖上に向かおう。


 必死で、走りやっと目的の崖上の到着したがふみ跡が無数・・・


 無線で、

〈すまない、学生たちはどこだ?〉

 と聞くと。


〈10分くらい前に全員ロープ橋を終わらせ山の中走り回っている、あいつら俺らのフォローがないのを確認して一人がロープを持って崖を飛び越えやがった・・・信じられんが殿もロープをほどいて自分で飛び越していたから装備背負ったくらいなら30mの幅跳びは楽勝そうだぞ・・・あんなの人間じゃない、あんなのがぞろぞろ部隊に入ってきたら、教官なんかやって行く自信がないぞ・・・〉

 ああ・・・そうだな。



 一晩かかると予想されていた訓練が、散歩程度で終わらされてしまった、急遽宿舎の使用と食事の材料が準備された、学生たちは、10kmの山を走り回ったのに元気でカレーを作り楽しそうにしている・・・周りで教官として呼ばれたみんなはまだ呆然としている・・・


「もしかして、俺たちをリストラでもする気なのか?」

「それは無いと思うが、あれを見ると俺たちなんかお遊びと言われてもおかしくない、こいつら本当に人間なのか?」

「この施設で、笑っている連中なんか初めて見るぞ・・・」


「明日からの試験て、従来通り対敵攻撃有りで40kmだったよな・・・あいつら明日中に終わらすような気がしないか?」

「俺たち、死にそうになってやっと終了したよな・・・」

「奴ら、4日なら160km行軍でいいんじゃないか?」

「やめろ、それが試験の基準にされると誰も合格できなくなる」

「ああ・・・無理だな・・・」



 朝5時起床のラッパが鳴る・・・

 どいつもこいつも、気の抜けた顔をしている・・・

 装備と注意をしていると、やはり緊張感のない感じが全一入体からしている、「火は使うな、水は水筒分だけだ」一応伝えることは伝える。



「出発」

 の号令で試験が開始される。


 見送っていると、先頭の一人が何か指示を出し少し広めの2列縦隊で駆け足を始める・・・


「谷川3尉あの指示をしているのは、何者でしょうか?」

「あれは、学生だが特殊攻撃M師団小隊長の深見一尉だ」

「一尉ですか・・・」

「実質彼が現在の特殊攻撃M師団のトップだ」

「彼らのレベルが、部隊の普通になると我々はもうついていけなくなる、昨日の状況そして彼らは、今日一日で試験を終わらせるだろう・・・きっと」



「持ち場に移動します」

 と敬礼して離れる、だが谷川3尉の寂しそうな顔は頭から離れなかった・・・

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