バウンダリ編 第2章 第07話 決戦

 扉を開け、中に入ると今まで見たこともないモンスターと、行方不明だったアルファとブラボー小隊が戦闘をしていた。


 モンスターは今までの鬼と違い、頭がライオンで胴体が山羊尻尾が大蛇という見たこともない物だった。


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 我々アルファとブラボー小隊は、10・・・もう13日ほど前か・・・50階の扉から飛び込みそこに両チームから5人ずつを残し拠点として、残りの隊員はエコー小隊を探すためひたすら走った、行けども行けども続くダンジョン、エコー小隊ももう絶望かと考えながらもひた走った、10日が過ぎ扉の前にたどり着く。

 篠田2尉と田村2尉は、扉に突入することを即断し体制を整え飛び込んだ、中に居たのは見たこともないモンスター・・・今までの鬼と違い魔法が弾かれる。

 物理攻撃と魔法を交互に繰り替えし、隊を3つに分け休憩と攻撃を繰り返す・・・しかし人間にはどうしても限界がある、休むと言ってもすぐそばで戦闘が行われている、ゆっくりと休めるわけもなく疲労が蓄積していく・・・


 そんな時、中からは開くことができなかったもう一つの扉、我々は出口だと思っていた扉から小隊単位の隊員と小田・飛田3尉?それとエコー小隊の田上3尉・・・無事だったのか。


 そんな、パニックの中一人の隊員?が前に出て魔法だろう急激な魔素の活性化を感じたその時10数本の稲妻がモンスターに着弾する、途端にオゾン臭があたりに漂う・・・

 今まで魔法をはじいていたはずのモンスターは、稲妻によりライオンの頭を吹き飛ばされていた、だがまだ死んではいない、モンスターは反撃の魔法を打とうとしているのだろう、急激な魔素の高まりを感じる・・・攻撃が来ると身構えた瞬間・・・突然、先ほど高まった魔素が霧散した?

 すぐにまた魔素が高まり、モンスターの上から天井がが落ちたと思えるような空気の流れを感じた・・・気が付けばモンスターはバラバラになっていた・・・全員が必死で3日も攻撃を仕掛けても致命的な一手など与えることができなかった相手が・・・わずか数分でバラバラになった・・・

 いったい何が起こっている・・・


 モンスターは黒い霧となり、スイカ大の結晶が落ちてきた・・・


 よくは分からないが混乱している間に戦闘は終わったようだ・・・


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 中に入ると、よくわからない見たこともないようなモンスターとアルファとブラボー小隊は戦っているようだ、だが・・・よく見ると魔法が体に当たる前に分解されているようだ・・・ふーん・・・導人は込める魔素の量かな?スピードかな?、と考えながらとりあえずそのあたりの魔素を集め、一番スピードのある雷を貫通するイメージを乗せて撃ちだしてみた。

 おお?なんだ効くじゃないか・・・頭は飛んだし? まだ死んではいないのか・・・魔素を集めているのは、とりあえず取り上げて、まあ後はばらせばいいかな、さっき取り上げた魔素を上乗せして何でも切れる空気の刃を大量に降らせる、うん効いたようだ。

 消えていくモンスターを見ながら力を抜く・・・終わった・・・よね?



 お・・・うん、たぶん元のダンジョンに戻って来たな、幾度も感じてきた転移独特の違和感を感じながら確信した。


 別次元か・・・どうやっていたんだろう、魔法だよな・・・漠然とダンジョンに入っていたけどちょっと調べてみようかな?


 と一人思案をしていると、突然

「導人くん、すごーい」

 飛田3尉が飛んできた・・・抱き着かれ驚いたが、装備が刺さる・・・痛い・・・

 両手を上げたままどうしようと考えていると、飛田3尉が引きはがされ、ぽいっと捨てられた、小田3尉が仁王立ちしている。

「ありがとうございます」

 一応お礼を言っておく。

「ほんとにもう、あなたって人は・・・ ・・・」

 飛田3尉に対するお説教は続くようだ・・・


 とりあえず、扉を開けて外を窺うと、周りを囲んだ隊員たちが居た、50階であることを確認し一声かける。

「救出は成功しました」

 そう伝えると、場は大騒ぎとなった。


 泣きながら抱き合っている隊員たちを少し離れて眺めていると、2人誰かが近づいてきた。

「特殊攻撃M師団の篠田2尉と田村2尉だ、救出してくれてありがとう」

「で、ぶしつけで申し訳ないが、君は誰だ?」

「山本大佐の依頼を受けて救出のお手伝いに来た、深見 導人 非常勤の特別技能職員 特別士長相等です・・・あっ、今は一時的に3尉です」

「非常勤の特別技能職員?」

「ええ、魔法を使えるので強制的に・・・させられています」

「一度、お互いにマスクしていましたので、顔ははっきり覚えていませんが、研究所の地下でお会いしています」


「あの時の・・・」

「ええ、あの時も山本大佐の依頼を受けて伺いました」

「あれだけ魔法が使えるのに、なぜ非常勤の特別技能職員なんだ?」

「ああ、僕まだ中学生なんです」

「「はあ??・・・」」

「そうなのか・・・じゃあ、しょうがないのか・・・中学生・・・」

「いや、わかった、改めて救出してくれてありがとう」


 篠田2尉と田村2尉は中学生って・・・ぼやきながらふらふらと戻っていった・・・

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