バウンダリ編 第2章 第05話 確認
扉をくぐった瞬間妙なずれと違和感を感じた、今のが転移かな?
導人は振り返るがそこに扉は無く、ただ続いていくトンネルがあった。
あれ? 入った瞬間ばらばらに転送か・・・
とりあえず、探査範囲を広げてみる、幸いダンジョンのほかの階と同じくぼんやりと明るい。
うーん、やはり前後1kmちょっとで切れる、ここはここで独立した階層なのか・・・
距離はどっちに行っても同じだが、魔素の流れの下流に行ってみるか、と気楽に歩きはじめる。
しばらく歩くと、連続した場所なのに突然魔素の流れの方向が変わった・・・んん?なんだ?
少し確かめようと元来た方向に向き直って顔を突っ込んだ時、さっきと違うことに気が付いた。
今の一瞬で転移するのか、完全に迷路だな、じゃあ と今いるところで探査魔法を使う、いないな・・・頭を境界から引っこ抜き再度突っ込み探査魔法を使う、それを繰り返していると何人か固まっているな、と一歩踏み出した。
探査しながら対象に近づいていくと、疲れた感じの隊員が3人固まっていた
「おおい大丈夫か?」
声を掛けながら近づいていく、いきなり襲われることは無いだろうが一応警戒はする。
「おお、ほかの人間だ、どの隊の人間だ?」
「ああ、一応救助隊のはずだったんだが・・・現状すぐには戻れないようだ」
「君たちは?」
「エコー小隊だ・・・」
「おおすごいな、最初に入ったはずだからもう2週間くらいになるだろ、食料とかはあるのか?」
「もう3日ほど水だけだ、水は魔法で出せるからな」
「ああそれじゃあ、とりあえず1本ずつ、高エネルギータイプのゼリー状携帯食からだな、落ち着いたらもう少しましな物、と言っても大量には持ってはいないがな」
「おお助かった、今はどういう状態なんだ」
「まず君たちエコー小隊が不明となって3日後、突然扉が開いた、そこにアルファとベータの2小隊が突入そこから10日ほどたって扉が開いたが、ロボットで探査するとどこまでも続く洞窟だったようで、僕に山本所長、から連絡が来て探査に入った、一緒に小田3尉と飛田3尉とそれぞれ各小隊から5人ずつ入ったんだが、僕の後には誰も来なかった」
「それで、今わかっていることを教える、このトンネルは連続しているように見えて途中で転送される仕掛けになっている、だからやみくもに歩いても、みんなが迷子になるだけだ、それで、とりあえず境界部分から顔だけを出して探査をして、君たちを発見した」
「ここまでは良いかな?」
「簡単に考えれば顔を出して、出口が見えれば飛び込む方法で帰れそうだが、問題は先に進むにはどうすればいいかということだ」
「この中途半端な位置でグダグダしてもしようがない、境界部分に移動しよう」
移動しながら、各自の持っている装備を確認すると、食料以外は問題はなさそうだ。
「なるべくなら両端でと思うが、めんどくさいか・・・どうせこんなエリア無限にあるわけじゃないだろう」
境界部分で座り込み、少し質問をする
「君たちの中で探査魔法が使える人間はいるか?」
全員が、首を振る・・・
「おいおい、簡単だから覚えてくれ、イメージはレーダーだ魔素を細くとか薄く延ばしてスキャンすると、人間とかモンスターが居ると抵抗がある感じに差が出る、あとはなれれば判断をつけることができる」
「ここで、向こう側と人間側に撃ってみて違いを覚えろ、攻撃じゃないから出力は抑えて自分が感じられる程度でスキャンする」
15分ほど繰り返しているとみんな覚えたようだ。
「そこで、この部分だ、ここで世界が途切れている・・・どうだ?」
「ああ…はい分かります」
「その位置を超えると戻ってこれなくなるから、顔だけ出してスキャンをしてくれ」
境界側でみんなが順に試している間に、反対側をスキャンする。
んん?誰か入って来た、無線のスイッチを入れる。
〈おおーい聞こえるか? オーバー〉
〈ザザッ聞こえる、こちらはチャーリー飛田だ オーバー〉
〈飛田3尉、深見です、今反対側の境界にいます 今要救助者エコー小隊の3人といます オーバー〉
〈わかった、そちらに向かう アウト〉
飛田3尉と隊員5人は、10分もたたずやって来た。
「はぐれなかったとはすごい、ちょっとタイミングが開くと飛ばされるのに」
「そうなのか? 飛び込んだ瞬間から深見3尉が居なかったし、後続も来なかったのでまっすぐ歩いてきた」
「今ここがちょうど、次元の境界となっています」
「今から、あーって言い続けますから、顔だけここから先へ出してください」
「おお、音が消えた」
「ええ、探査魔法が使えれば発見できます」
「ああ確かに、そこで不自然に途切れるな」
「で今やっているのは境界から顔を出し、探査魔法で人または出口を探しています、「今いるのは転移を使った、迷路です」
とりあえず、チャーリー小隊の5人が持ち込んだレーションで休憩をとる、エコー小隊の3人は泣きながら食べていた・・・
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