バウンダリ編 第24話 結果
しばらくチームで実験手順通り魔素の他人への送り込みや水玉のサイズ変更等を試していると山本大佐は部屋に戻ってきて質問をする
「物質化は出来るようになったかね」
「はい、多少の大きさに差はありますが、皆出来るようになりました」
「空間の魔素、霧のようなものは見えるものは居るか?」
「いえ、目視はできません、ただし魔素が存在することを認識できるようになりました」
全員が首を縦に振る。
「他人に魔素を取り込ますような操作はできるかね?」
「いえ、まだそこまでコントロールができません、リポートにあった身体の変化後に期待したいと考えています、あれが身体の魔素による再構築であれば能力の上昇が期待できると推察します」
「うむ、身体状況の変化を細かくリポートしてくれ、うまくいけば君たちをダンジョン攻略特務グループとして編成する、ただ魔法自体が未知の物で魔素の取り込みが身体に起こす影響もまだはっきりとは分かっていない、事故の起こらないよう身体の機微に留意し魔素の馴染ませを行うように、以上だ解散」
「「「「「はっ、解散し各自待機に移行します」」」」」
各自着替えて、経過観察用の個室に入り時間枠と症状を記入するA4ほどのノートを確認し入室時間を記入現在の体温等を記載する。
魔素の取り込みと、浮かべた水の球を移動させたりしていた。
途中で食事や休憩を取り、できることが増えるため楽しくなって来ていた18:00ころ、体が熱を帯びている感じがする・・・これは取り込んだ魔素で温かい時とは違う、慌てて体温を測り記録する、まだ37度程度微熱だが・・・リポートに書かれている痛みに一瞬の恐怖が頭の中によぎる。
動けるうちに、水分補給とトイレ、シャワーを浴び軽く食事をとった。
ベッドに転がりふと時計を見ようと思ったが腕が上がらない・・・体に力が入らず寝返りさえできない。
始まったか、トイレに行ってて良かったと、動かない体を確認する。
体の末端からばらける? 細胞レベルで分解されるような痛みと喪失感が感じられ恐怖が押し寄せてくる、か、体が動かない・・・逃げたいのに逃げることができない恐怖のみが頭を支配する・・・さっきまで消えていた末端部に神経がつながっていくような・・・痛いようなかゆいような足がしびれたときに強引にもまれるような感覚がどんどん広がってくる・・・
「ぐ・・・ぐわぁ」
思わず声が出る・・・
末端から、感覚が戻るにつれ痛みが押し寄せ始めた・・・
ぐっこんな・・・予想と違う・・・痛みに耐えきれず意識が落ちるが強制的に覚醒される、体も動かん今どうなっているのかも分からない・・・
どのくらい時間がたったのかももう分からない・・・意識が落ちるが強制的に覚醒されることを繰り返されただこの状況から脱することだけを切望している・・・
被験者として承知したことさえも後悔している・・・
んっ、痛みが治まって来た、体の感じを確認する消失したと思った部位も今は感覚がある熱も引き徐々に全体の感覚が戻ってくる・・・んあっ・・・股間が気持ち悪い・・・個室で良かったが起きたらまず洗濯とシャワーをしないと、悲惨な状態が予想できる・・・そうかこの年で漏らしたか・・・
でもよほどの拷問にも耐えれる自信ができた、それだけが救いか・・・
それからほどなくして痛みも治まり意識もはっきりしてきた、体が軽い・・・魔素を感知してみると見えはしないが周りにあることがずいぶんはっきりわかる、意識して移動させてみる・・・魔素の状態での移動はできないか・・・おっといけない惨状の片づけと洗濯それとシャワーを浴びなくちゃ・・・
一通りすましふと自分の体を見るとずいぶん引き締まりウエストもベルト穴2yつ分ほど小さくなっている身長は数センチ高くなったようだ、リポートにあったように体に魔力をなじませ移動させてみる、おお体がかる・・・かべ・・・うわっと、魔力を足になじませ軽くダッシュしたら壁にぶつかった、これは慣れるまで危険だ。
洗面所に行き鏡を見るとあれ?はっ・・・いろんなところが抜けて・・・これ元に戻るよなストレスが原因か、とりあえず剃ろう。
まあ、いろいろあったが魔法の扱いはずいぶんスムーズになった、順に試すしかないな。
変化中の状態のリポートはなんて書こう、漏らしたのは書かなくていいよな・・・
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