バウンダリ編 第7話 説明

 朝学校に着き教室で友也たちに昨日の事について説明していた、友也はなぜか眠そうだ。

 話を聞くと、昨日からずっと寝ずに世の理を究明しようとしていたらしい。


「だから、見えないけど周りに霧が流れているんだって」

「霧? なんだよそれ? 」

「今も流れている、たぶん宇宙の一定方向から来ている感じで、今は横からだけどちょっと下から上向きに流れているんだって」


「それを手のひらに集めて、目的? 燃えるとか、水になれとかを与えるとその通りになってくれる」


「うーん、よくわからない・・・」

「その、霧? が見えれれば少しは何とかなりそうだけど・・・」

「どうやって、見るかだよな・・・」

「うーん・・・」


「でもさあ、今までそんな霧の話なんか聞いたことがないということは、導人以外に見える人間がいないっていうことだろう?」

「まあ、他に魔法が使える人間もいないし、話としては魔法という概念はあるんだけどなぁ」

「雑誌とかでも特集があるしな」

「はあ~導人見えるように霧に言ってくれよぉ~」


「見えるようにか・・・」

 ん~こうか?


 導人の手のひら上に、霧が現れる

「おお、霧だ」


「でもこれ、すでに霧になれっていう命令を受けて、小さな水滴に変換されていると思うから微妙だよ、多分もとの性質のままで、見えるようにしないといけないんだと思う」

「色をつけるとか、目に見える周波数? にするとか・・・一緒か」


「物語によくある、眼鏡に機能を付与するみたいなのはできないのか?」

「う~ん・・・」


 教室に、先生が入ってきた

「おはよう、みんないるか、いないやつは手を上げろ」

「よし・・・欠席はなしだな」


「深見、今日の午後から探索者協会に説明に行くので一緒に来てくれ、午後の授業分は後日じっくりと補習を受けさせてあげるから心配するな」


「えぇ~補習いらないです」

「そんなわけにはいかん、じっくりしっかりねっとりと教えてやる」

「ええぇ~」


「なに? 全科目100点取るまで補習を受けたいのか? ホントはいけなんだが勉強熱心な深見のために特別補習を開さ・・・「受けますから、午後の授業分だけでお願いします」」


「そうか、頼む、ほんとに特別補習はいらんのか?」

「要りません、そんな差別はしてはいけないと思います」

「ほぅ・・・そうか」


「まあそんなことより、昨日の事については後でプリントを回すが、問い合わせが多いようだから保護者説明会をこの週末に開くことにした、必ず保護者に渡すように」


「深見は昼食後職員室へ来てくれ、それじゃあ朝の連絡は終わりだ」



 午後、職員室に行くとうちのクラスの担任と教頭先生が一緒に探索者協会に行くことになった。

 昨日に続き、よもつくにダンジョンのすぐ脇にある、探索者協会よもつくにダンジョン管理庁舎にやってきた、受付で話をすると会議室に通され、協会の人と軽く自己紹介を済ませそこで調書?報告書?の作成をするようだ。

 昨日の学校出発から時系列に沿って話が進められ、3階でのモンスターの氾濫発生と探索者の全滅について、そしてその撃退について・・・


 地下の射撃訓練場に移動し、的に向かって水の玉を打ち出す、探索者協会の人は時折なにか指示を出しているようだ。


 再び、会議室に戻って来て魔法がいつから使えるのか聞かれたが、4日前から突然に使えるようになったと伝えると驚かれた。

 魔法行使の基本概念を教えてくれと言われ、霧が周りにありそれにどうしてほしいか伝えるだけだというと、なにか相談していたが霧が見えるようにできないかと言われた、見えるようにすると性質が変わるようだと説明し納得してもらった。


 週末に、保護者同伴で探索者協会本部へ来てくれないかと言うこととなり、今晩か明日にでも返答することを伝え連絡先をもらった、話をしていたのは此処の所長だったようだ。


 そのまま、家に送ってもらい家族に話をする、夕方帰ってきた父さんが連絡し、あっという間に週末に探索者協会本部に行くことが決まったようだ。

 

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