第18話ライブスタート
到着出口から大きな荷物を持った團千沙子と
木田明日香と小村友子が出てきた。
それに気づいたモニカが
「千沙子!」
大きな声で叫んだ。
千沙子はモニカに気づきハグをすると
千沙子はモニカの隣にいた亮に気づかなかった。
「亮は何処?」
「姉さん、久しぶり」
「亮?」
千沙子は亮に抱きついた
「サングラスと帽子をかぶっていたからって、
気づかないかな?」
「ううん、何か外国人に見えた」
「場に染まりやすいのかな?」
「感じ変わったよ」
「亮!」
モニカとハグをしていた木田明日香も
続いて明日香は泣きながら一切亮の情報の
事を知らせていなかった亮に抱きついた。
「生きていたんだ」
「はい、すみません」
続いて小村友子が亮に抱き付いた。
「どうしたの?私を呼んだりして」
「ちょっと増資と株の件で友子さんに
頼もうと思って」
「わかりました」
「行きましょうか」
亮がカートを押すとモニカが止めた。
「亮、待ってスティーブも着いたみたいだから
一緒に行こう」
「はい」
「スティーブ?」
千沙子が亮に聞くと亮が答えた。
「モニカの彼です」
「そうか、亮フラれちゃったんだ」
「べ、別にモニカとは付き合っていないですよ」
「あはは」
明日香が笑っていると
出国口のドアが開きスティーブが出てきた
モニカはスティーブに抱きつきキスをすると
モニカは何かを話しながら歩いてきて
亮に紹介をした。
「亮、スティーブよ」
「はじめまして、アキラ・ダンです」
「スティーブ・フィッシュです」
二人が握手をすると
明日香がボーとそれを見ていた
「千沙子さん本物だ・・・」
「そうね、すごい・・・」
「亮、待っていてスティーブと車を取ってくるわ
荷物が多いでしょう」
モニカがスティーブと手を組んで
駐車場の方へ向かっていった
「モニカ、ありがとう」
亮はカートを押して外へ向うと
そこからモニカに話しかける男の姿が見えた
「モニカ?」
「どうしたの?」
千沙子の声を無視して
亮はモニカたちの危機を感じて走って
駐車場へ向うと二人の男がスティーブと
モニカにピストルを向けていた
亮は胸のホルダーからインスリン銃を取って
5m先の男のお尻を狙って撃った
「プッシュ」
ガスの圧力でほとんど音が無く
弾は発射され男のお尻に強く当たった
「おい、黙って車に乗れ、命を貰おうとは思わん」
と男が話を終えた瞬間、へなへなと倒れた
それを見たスティーブはモニカを
抱いて柱の影に隠れると
亮はもう一人の男の後に立ち
男が後の気配に気づくと後ろを振り向くと
亮は1度深くしゃがみこみジャンプをしながら
男の顎を思い切り蹴り上げると
男は2メートルほど後に飛んで気を失った。
「モニカ大丈夫?」
「はい、ありがとう」
モニカは亮のあまりの強さに驚いた。
「急ぎましょう」
「先に倒れた男、ピストルで撃ったの?」
「いいえ、僕は持っていませんよ。日本人ですから」
亮はインスリン銃を撃った事を隠した
「そうね」
三人は車に乗って出口で待っている
千沙子と明日香と友子と
荷物を載せドアを閉めた。
「ああ、時間が無いですね。僕が運転します」
亮は運転をしながら美咲に電話をかけた。
「美咲さん、飛行場の駐車場に男性が二人倒れています。
確保してもらえますか」
「あら、また何か有ったの?」
「はい、モニカたちが襲われました」
「そうすぐに連絡するわ」
「あっ、それと急いでいるので
スピード出しています。ハイウエイパトロール
によろしく」
「うふふ、了解です。がんばって」
「亮は強いのね」
モニカは改めてたくましい亮に惚れ直して聞いた。
「はい、3か月間香港でカンフーを習いました」
「一発で倒していましたね」
スティーブが言うと亮は明るく答えた。
「良くアクションドラマで何発も
殴り合いをしますが
当たり所がよければ一発で倒れますよ
特に顔を殴ると拳を痛めるので数は少ない方が」
「へえ」
スティーブは謎の日本人を
頼もしくも恐ろしくも思った
まもなくパトカーが亮の運転する車の脇に着き
窓を開けて親指を立て
その前に付きスピードを上げた。
「つい来て来いという意味よね」
助手席に座っている千沙子が言った
「はい」
亮の運転する車はハイウエイパトロールに
先導され高速道路を突っ走った
「姉さんこれなら早く着きそうね」
「はい」
亮がミラーで後を見ると
スティーブはモニカの肩を抱き
時々頬にキスをして満足そうにしていた。
亮たちは7時にシアターの裏口に着くと
衣装を持って亮が大きな声を上げて
楽屋に入った
「お待たせしました」
「おお、千沙子」
シンディがそう言って千沙子とハグをした
フィリップ・コーエンの店から来たメイキャッパー
が四人来ていてすでにブルックとジャネット、
ケイトのメイクを始めていた
「さあ、モニカもメイクをして、あら?スティーブは?」
シンディが部室を見渡した
「外で待っているわ。男性だから」
モニカが答えると亮が額に汗をかいた
「あはは、僕も男ですけど・・・・・」
亮は男一人で恥ずかしくなった。
「千沙子さん」
尚子がハグをした。
「尚ちゃんもいたのね、出演するの?」
「ううん、今日は観るだけ」
「シンディ、三人分の衣装も用意してあります」
「ありがとう、亮」
亮たちは衣装をハンガーにかけ終わり
ブルックに声をかけた。
「ブルック、フィッティングします」
「ありがとう」
ブルックは黒の皮のパンツと黒のジャケットを着た
「ブルック、きれいなラインね」
それを見ていたシンディが言った。
「ねえ、千沙子アクセサリーは?」
「あるわ」
箱から何点かのアクセサリーを取り出すと
シンディに渡した。
シンディは器用にブルックの身にそれを着けると
白いTシャツと口紅を渡した
「亮、このTシャツに絵を描いて」
「何?」
「何でもいいわ、この衣装にあったやつ」
「OK」
亮は明日香と友子にTシャツを伸ばしてもらって
文字を書き始めた
「ところで、お客さんはどれくらい入るでしょうか?」
「ああ亮見て来れば」
ケイトが言った
「ダメですかね?」
「ううん、満員よ」
「う、嘘ですよね」
亮は楽屋を出て客席を見ると500人どころか
満員寸前だった
「えっ?」
亮は驚いてホールの外へ出ると体格のいい
男達が入り口で入場整理をしていた
「お疲れ様です」
亮が声をかけると男達は笑顔で手を振った。
「誰なんだろう?」
会場は何のトラブルも無く入場の進行していた
亮は楽屋に戻るとジャネットに聞いた。
「凄い、誰かが入場整理をしてくれています。
誰ですか?彼らは、しかも満員です」
「うふふ、私達の大学の仲間よ」
ジャネットが言うとブルックが舌を出した。
「警察の非番の人は私のファンよ」
「ブルック」
亮はブルックをソファーに座らせると
ブルックの喉を触った。
「喉にいいツボです」
手の親指の付け根の合谷のツボ
耳の下の天容のツボ
鎖骨のくぼみの気舎のツボを押した
「気持ちよさそう」
ケイトがうらやましそうな顔をしていた。
「亮、そろそろ客席に行って
スティーブと一緒に観て」
着替えが終わったモニカが言うと
ブルックは緊張した顔で亮に手を振った
「はい、ブルックがんばって」
亮と尚子が前から5番目にとってあった席に座ると
そこにはフリップ・コーエンとジーンと
スティーブが座っていて亮と握手をした。
~~~~~~~
亮はジョージと妻のメアリーを入口へ迎えに行った。
「亮、すっかり素敵になって」
メアリーは息子のデビッドを抱くように優しくハグをした
「ママもスタイルが良くなって若返りましたね」
「亮のお陰よ。体が軽くなったら動かすのが楽しくて」
「そうですね、運動は良い事です」
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