第35話

「ね、ね!!さっきのカッコいい子、お友だち?」






 病院行くから準備してーーって、母さんに言われて、着替えて、下に降りていく。



 おかゆ食べる?って聞かれて、食べてたら、わくわく!!って顔で母さんが僕を見てた。






「先輩だよ」

「先輩!?何年生なの?」

「3年生」

「3年生かーーー」

「何で母さんが残念がってるの?」

「だってあとちょっとで卒業じゃない!!あの子でしょ?毎日真尋を送り迎えしてくれてる子って」

「うん」

「いいなーーー!!青春だわーーー!!また来ないかなぁ」

「あ、帰りにも寄ってくれるって」

「本当!?嬉しい!!あ、透くんと友弥くんのお母さんに連絡しなきゃっ」






 な、何で母さんがそんなテンション上がっちゃってるの?



 って、何で透と友弥んちのおばさんにまで。



 さすがアイドルグループのファンをしてるだけあるなぁ………。






 イケメンには目がない。






 スマホを持ってうふふって笑ってる母さんがちょっとこわい。



 何か3人でスマホのグループ作って、しょっちゅうやってるんだよね。



 どんだけ仲良し?どんだけそのアイドルが好きなの?

 また透に言われても知らないよ?ぼりしょんだなって。






 アツアツのおかゆをふーふーしながら、眉毛を下げて笑う真鍋先輩の顔を思い出す。






 あの顔、好きなんだ。






 しょーがないなーって、顔。



 すごいカッコいいのに、途端にかわいくなっちゃう笑い方。



 他の人にも見せるのかな。木戸先輩にも、見せるのかな。






 木戸先輩と並ぶと、身長差があってさ。木戸先輩のかわいい雰囲気もあるからさ、余計に、何かさ。






 普通に、カップルに、見えるんだよ。






 僕と真鍋先輩じゃ、ほとんど同じ目線だもんね。



 小さくなりたい訳じゃないけど。実は180㎝ぐらいまで欲しいとか思ってたけど。



 木戸先輩が、ちょっと。






 羨ましい。






 ………なんて。






「写真撮って送ってだって!!撮らせてくれないかなぁ………」






 もう、母さん!!人が真剣に悩んでるっていうのに。






 でも、写真。………写真かあ。






 僕も欲しいな。真鍋先輩の、写真。

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