第8話 決着

「おばあちゃん!

やっぱり桃太郎が何処にもおらんのよぉ!」


おばあさん

「家にもおらん。

あ奴め…こんな時にいったい何処へ行きおったのか…?」


郷が前代未聞の襲撃を受けている最中…


一般人を避難させようと躍起になっているおばあさんと寺子屋の教師達。


そのおばあさん達が遂に、桃太郎が寺子屋に居ない事に気付いてしまった。


この事態に焦りと不安を隠せないおばあさんと桜。


桃太郎は今、いったい何処で何をしているのか…?


考えても出ない答えは、二人に最悪の事態を想像させていた。


特に桜は落ち着かない様子。


彼女は桃太郎が寺子屋を追い出されて飛び出して行った様子を見ていた。


しかし、そんなに遠くには行っていないと思い込んでいたのだ。


桜も桃太郎も、狼煙を見たら寺子屋へ避難するよう教えられている。


それなのに狼煙が上がって尚、寺子屋に戻らない。


それはもしかしたら「戻らない」のではなく「戻れない」のかも知れないと感じ始めていたのだ。


桜とおばあさんの脳裏に嫌な予感が広がりつつあった…


…その時…


「おーい!!」


遠くから、誰かが桜達を呼ぶ声がする。


「おーい!! お前らー!!」


その声はだんだんと桜達へと近付き、徐々にその位置と方向を明確にしていく…。


しかし…


桜もおばあさんも、頑張って目を凝らすが、なかなか声の主が見つからない。


何処を見ても、人らしい人影が見当たらなかったからだ。


…たが…


桜がその視線を僅かに上へと上げると…


そこには、桜にとっては見慣れた小さな火の玉が一つ…


…それは…


「お祓いの練習用の小型妖怪!?」


小型妖怪

「その呼び方やめろッ!!」


小型妖怪扱いされた途端に機嫌を悪くして、桜の手のひらに頭突きで突っ込む小型妖怪。


それを見事に受け止めた桜の手の中で、小型妖怪は息を切らしながら伝えたい言葉を纏めていた。


小型妖怪

「ま…待て待て…先ずは俺の話を聞けよ?」


そう言って呼吸を整える小型妖怪。


最初に理解を求めないと、再び幽閉されて実験道具にされる事を理解していたからだ。


桜もおばあさんも、戻って来れば払われるだけである事を知っていながら戻って来た小型妖怪の行動には疑問を抱き、軽率に払おうとはしなかった。


きっと何かあるはず…


桜達はそう感じて小型妖怪の次の発言に耳を澄ませていた。


切れた息が整い始めて…


やっと顔を起こす事が出来た小型妖怪…。


彼は自分を掴む桜の目を見ると、真剣な表情で【それ】を聞いた。


小型妖怪

「お前達の中で、一番強いヤツは誰だ?」


その言葉の真意が分からない桜達…


しかし、その意味を知った時…


桜とおばあさんは事の重大さを知る事となる…。


小型妖怪

「俺の命の恩人がよ…

【桃太郎】ってガキなんだが…

そいつが今、数人の鬼達に囲まれているんだ!!」


衝撃的な情報。


桜とおばあさんの予感は的中してしまった。


恐らく門番を倒して侵入して来たのはその鬼。


そして桃太郎はどう言う訳かその鬼に遭遇してしまった。


事態は最悪。


その余りの驚きに、桜もおばあさんも返す言葉が見付からなかった。


小型妖怪

「命が危ねぇんだよ!!

誰か助けに行ってもらえねぇか!?

お前達の仲間だろ!?

な!?」


郷へと侵入してくる外敵…


その外敵とは鬼であり、鬼と交戦する事になってしまった桃太郎…


その現状を理解してしまった桜達は焦った。


おばあさんの指示も待たずに、木刀を手に取って走り出そうとする桜。


小型妖怪も桜の様子を見て、反射的にその後を追って飛び出そうとした…


だが…


おばあさん

「二人とも待てッ!!!」


二人の反応を見て即座に静止を促すおばあさん。


桃太郎の身を案じながらも、焦る気持ちを押さえながら おばあさんは最悪の中の最善を考えていた…


おばあさん

「…万が一を考えな…。

桃太郎の元へは あのジジイが向かっている。

私達は最悪に備えるんだ。

いいね?」


最初はそれでも急いで出ていこうとしたが、おばあさんに【ある物】を託されて桜の様子が変わった。


その【ある物】が…


間も無く着こうとしている死闘の結末を、大きく左右しようとしている事を理解できたから…。






…意識を取り戻す事の出来ない桃太郎の周囲で、今なお激しい攻防が続く…。


一人を倒し、今も二人の鬼と交戦中のおじいさん。


桃太郎の安否を確認する金時と若い部下。


その傍らで、阿修羅との激しい戦闘を繰り広げる夜叉丸の姿があった。


感情に任せて、荒々しい攻撃を繰り返してくる阿修羅に対して…


感情を抑えて、桃太郎と阿修羅を引き離そうとする夜叉丸…。


それは両者互角の実力を有している事を意味していながら…


この状況が簡単には打開出来ない事も意味していた…。


夜叉丸との過去が、阿修羅の脳裏を過る…


阿修羅を置き去りにした後悔が、夜叉丸の心を責める…


言葉にならない想いが、二人の攻防に見え隠れしていた…


阿修羅

『…何故、今更…ッ!!』


全力の攻防…


しかし…


夜叉丸が阿修羅の顔を攻撃出来ないでいる事は見抜かれていた…。


過去の傷が夜叉丸の弱点となって襲い掛かる。


その事に気付いた阿修羅は敢えて首から上の防御を捨て、夜叉丸 相手に強引な接近戦を試みた。


阿修羅

『何で…居なくなったんだ…ッ!!』


圧倒的な手の速さで夜叉丸の四方八方から攻撃を仕掛けた阿修羅。


その攻撃は残像を生み、二本しかない阿修羅の腕を、あたかも六本あるような錯覚を見せた。


夜叉丸

『やっぱり【この技】を使うのかッ!!』


これこそが、彼女が【阿修羅】と呼ばれるようになった由縁…


共に技を研鑽し合った幼い頃、夜叉丸を苦しめた彼女独特の技…


その攻撃の素早さは音速にも匹敵して、時に激しい衝撃波を発生させた…。


攻撃と同様に恐ろしいのが彼女の顔…。


夜叉丸を倒す事だけに心を囚われた彼女の表情は正に【修羅】…。


それは並の人間が見たなら恐怖で固まり、歴戦の勇士であっても、その動きが鈍る事だろう。


だが夜叉丸は違った。


どれ程の威圧感を向けられたとしても冷静さを失わない夜叉丸の技。


それは常に最善の行動を選び、最も効果的に阿修羅の行動を捌いていた。


…しかし…


阿修羅の一撃一撃は刃の如く、それでいて夜叉丸の急所のみを正確に狙う。


目にも止まらぬその攻撃をギリギリで躱し続ける夜叉丸だったが…


それは決して長続きする事なく…


防ごうとする夜叉丸の腕ごと、彼の身体を攻撃し続けた…。


このままでは負ける…


夜叉丸がそう感じ始めた頃…


急に止まった阿修羅の攻撃…。


それもそのはず…


阿修羅の攻撃は僅か一秒の間に、百以上の攻撃を放っていた…。


それは彼女の体力を急速に奪い取り、その限界をいとも簡単に引き寄せる。


完全に体力を使い果たした阿修羅。


そんな彼女を、夜叉丸はどこか寂しそうな視線で見詰めていた。


夜叉丸

『…昔からそうだった…

…直ぐに感情的になって…

…後先考えずに行動して…』


夜叉丸の記憶の中の彼女と比べれば、それでも圧倒的に成長はしていた…


先程の阿修羅の攻撃に、夜叉丸は本気で敗北を予感したに違いない…


しかし…


桃太郎との戦闘で、既に大幅に奪われていた阿修羅の体力では…


夜叉丸にとどめを刺す事は出来なかった…。


夜叉丸

「…お前は…

…昔から本当に雑な戦い方しかしないな…

【お福(ふく)】…。」


阿修羅

「…黙れ…

…その名前で呼ぶんじゃねぇよ…

…夜叉丸…。」


激しく息を切らし、呼吸もままならない阿修羅…。


既に限界だった彼女は、遂にその膝を地面に着いた。


夜叉丸も同様…


桃太郎と出会った昨晩、既に致命傷を負っていた彼もまた、今の攻撃を受け止めるだけで精一杯だった。


フラつく足を無理矢理 動かして、近くにあった木に凭れ掛かった夜叉丸。


これで決着かと思われた二人の戦いは…


残念ながら、期待通りに終わってはくれなかった…。


力尽きたはずの阿修羅を見下ろしながらも、下から睨み上げて来る殺気に満ちた眼光に気付いた夜叉丸。


既に限界のはずの阿修羅から感じる威圧感…


空間を支配するような覇気…


それは限界だったはずの阿修羅の身体を奮い立たせ…


既に力が入らなかったはずの拳に力を与えていた…。


阿修羅

「…全部テメェが悪ぃんだ…。

…この私をコケにして…

…この私の人生をメチャクチャにしてくれた…。」


阿修羅の瞳が死んでいない…


阿修羅の闘気がより強くなっていく…


思っていたよりもしぶとかった阿修羅の執念は、一刻も早く桃太郎を助けたかった夜叉丸の気持ちを焦らせた。


阿修羅

「テメェが全ての発端のクセにッ!!!

被害者面して逃げ回ってんじゃねぇぞッ!!!

夜叉丸ッ!!!」


そう叫ぶと再び夜叉丸に襲い掛かった阿修羅…


既に抵抗する力を失っていた夜叉丸は歯を食い縛り…


とどめを刺されるその瞬間を待つ事しか出来なかった…


…しかし…その時…


どこからともなく飛んできた、一本の短い矢。


それが阿修羅の大腿部に突き刺さり、彼女の集中力を僅かに乱した。


いったい この矢は何処から飛んできたのか?


夜叉丸と阿修羅が、矢が飛んで来たであろう方向を目で追うと…


そこには若い部下の姿が…


何かを投げた後のように振り抜かれた右腕。


自分がやりましたと言わんばかりに阿修羅を睨む瞳。


その左肩には、矢が無理に引き抜かれたような出血が…。


つまり阿修羅に突き刺さった矢は、迦楼羅王が若い部下に向けて放った物だった。


鬼である阿修羅にとっては大した深手ではない。


…しかし…


夜叉丸との戦いを邪魔された怒りが、彼女の意識を若い部下に集中させていた。


阿修羅

「貴っ…様ぁッ!!」


若い部下に向けられた殺意…


夜叉丸から反れた意識…


阿修羅が見せたその隙を、夜叉丸は決して見逃さなかった。


阿修羅

『…夜叉丸を殺したら…

…次はあの人間を…』


余計な事を考え始めた阿修羅の腹部に滑り込んだ夜叉丸の攻撃。


それは最後の力を振り絞って放たれた夜叉丸の最後の攻撃だった。


痛恨の一撃を腹部に受けた阿修羅は最後の力を使い果たし、その場に倒れ込む。


意識を失う事はなかったが、苦しそうな呻き声を挙げながら地に伏せる阿修羅。


今度こそ終わった。


そう思うと、夜叉丸も地に膝を着かずにはいられなかった。


阿修羅が倒された事を察して、自分達の敗戦を理解した乾闥婆。


これ以上は無益な戦いになる…。


そう感じた乾闥婆は大きな不満を噛み締めながらも、撤退する事を決意した。


乾闥婆の表情の変化から何かを察したおじいさん。


乾闥婆がやろうとしている事を瞬時に見抜くと、おじいさんは逃がす前にとどめを刺そうと刀を振るった。


おじいさんの素早い反応を見て血迷ったのか?


乾闥婆はおじいさんが仕掛けたその凶刃から自らの頭部を守るように右腕を振り上げた。


腕で守れるはずがない。


竜王の剣さえ受けきる名刀だ。


まともに受け止めれば その腕は斬り落とされ、その先にある頭部にも おじいさんの刃は届くだろう。


おじいさんは自分の刃が乾闥婆に触れようとしたその瞬間、勝利を確信した。


…しかし…


乾闥婆を両断したはずのおじいさんの刃に残ったのは…


【布】を斬ったような感覚…。


次に聞こえて来たのは、布が風に靡くような音…。


そして、乾闥婆の黒い衣服が静かに地面に落ちたかと思うと静かに地面に広がった。


乾闥婆の姿は…ない…


そうかと思えば、その衣服さえ煙のように姿を消し…


おじいさんの目の前には、文字通り何も残らなかった…。


乾闥婆を逃がした。


その事を理解したおじいさんは瞬時に意識を切り替え、もう一人の敵である竜王に向けて刀を構え直す。


…しかし…


そこには竜王の姿すら残っておらず、倒したはずの迦楼羅王の姿まで何処かへと消え去っていた。


悔しそうに辺りを見回すおじいさん。


すると…


見失ったはずの乾闥婆の姿が、倒れている阿修羅の傍らへ突如として出現した。


息を切らしながら、阿修羅を脇に抱える乾闥婆。


そんな彼の耳元に、姿の見えない竜王の声が何処からともなく響き渡る。


竜王

「何のつもりだ乾闥婆!

逃げるつもりか!

私に戦わせろ!

生き恥を晒すくらいなら栄誉ある死を!!」


乾闥婆

「愚か者め!

何度も言わせるな!

私達には使命がある。

栄誉ある死など考えている暇があったら、目的の達成を考えろ!!」


乾闥婆を逃がすまいと、再びその凶刃で襲い掛かったおじいさん。


…しかし時既に遅し…


乾闥婆はまたしても不思議な術を使って、今度は天高く舞い上がる。


羽も持たないのに空中に静止して、地上にいるおじいさん達を見下ろす乾闥婆。


その表情に映し出された不満と怒り。


撤退を余儀なくされた屈辱。


彼は頭の中で、何故このような事態に陥ってしまったと原因を探していた…


簡単な計画のはずだった…


夜叉丸を連れ帰るだけだった…


それでも万が一を警戒して考えた人員の構成のはずだった…


万全を期したはずだった…


だがその全てを台無しにしたのが【桃太郎】と言う人間の子供であると気付いた時…


それは彼の中で復讐を誓う言葉へと変わった。


乾闥婆

「…人間共め…ッ!!」


乾闥婆が最後にその言葉を吐き出そうとした…


その時…


乾闥婆の脇に抱えられた阿修羅が飛び起きて、彼の代わりのように【その言葉】を口にした。


阿修羅

「これで終わりだと思うんじゃねぇぞッ!!!

夜叉王ッ!!!

必ず私がお前を殺してやるッ!!!

必ずだッ!!!」


その言葉の矛先は夜叉丸にのみ向けられたものだった…


しかし、乾闥婆はその言葉を聞けて満足した…。


私怨ではあっても、自分と同じ気持ちを持った者が仲間にいる事が、乾闥婆の溜飲を下げていた。


落ち着きを取り戻した乾闥婆は再び逃亡する事に意識を向ける事ができた。


彼が再び腕を振ると、二人は雲のように空中へと霧散して姿を消す…。


おじいさん達は、郷に向けられた驚異を追い払う事が出来たのだ。


…だが…


郷を襲った彼らを生きて帰した事は、おじいさん達にとっては大きな痛手だ。


そして…


おじいさんは戦いの後に残った爪痕を見て、肩を落としていた…。


郷の門番達を攻撃され…


あまつさえ突破され…


連れて来た部下を傷付けられた…


要救助者であった女の子はどうやら無事…


…しかし…


おじいさんの実の孫である桃太郎は…


今も目を覚まさなかった…。


泣き続ける女の子に、周りの状況を見せまいとして その胸に優しく抱き締める金時。


だが金時の瞳には…


決して動こうとしない幼馴染みの姿があった…。


金時

『…桃太郎…』


今まで…


試合として桃太郎を倒した事はあった…


金時

『…お前…何してんだよ…?』


何度も倒して来た…


繰り返し倒して…


いつの頃からか満足出来なくなって…


自分よりも体格の大きな大人達と剣を交えるようになっていた…


金時

『…弱いくせに…

…何でこんな事に首を突っ込んだ…?』


全員倒して来た…


誰一人金時には敵わず…


金時に負けた大人達の中には…


たまらず意識を飛ばした者さえいた…


金時

『…俺に任せておけば良かったのに…』


意識を失った対戦相手の瞳に映った自分の姿を見て…


金時が感じるようになっていた高揚感…


しかし今は…


金時

『俺に全部任せておけば良かったのに…

余計な事をしてんじゃねぇぞッ!!

桃太郎ッ!!!』


力無い桃太郎が持っていた、自分よりも強い【何か】を知って…


複雑な敗北感に襲われる金時…。


金時の胸の奥を、無念がキツく締め付けた…。


今までは倒して勝利する喜びだけを糧に生きてきた…。


そんな金時が初めて感じた…


【失う】苦しみ…


敗北した訳でもない彼が感じる【それ】は…


金時にとっては理解し難い、激しい違和感を感じさせていた…。


怖い思いをした女の子を気遣って、それまで涙を堪えていた金時…。


しかし…


目の前で呼吸さえしない桃太郎を見て…


遂に金時の忍耐は限界を迎えていた…。


同じく…


桃太郎の様子を見て、全く近寄ろうとしないおじいさん…


幾千もの戦を掻い潜って来たおじいさんには分かっていたのだ…


それが今まで、何度も何度も繰り返し見てきた【死】であると言う事を…。


見慣れていたはずなのに…


それでも…


目の前に横たわっているのが実の孫であると言う事実…


その事実が、おじいさんに忘れていたはずの別れの辛さを思い出させていた…。


おじいさんと金時の様子を見て…


桃太郎の命懸けの行動の結果を見て…


その胸を痛める若い部下。


彼と桃太郎に深い関わりは無かったが…


それでもこの結果を招いた桃太郎に、若い部下は尊敬の念と共に哀悼の意を表していた…。


…戦いは終わった…


女の子を守り抜いた桃太郎達の勝利だ…。


だが…


勝負に勝てても、桃太郎は…


徐々に桃太郎の心臓の鼓動が弱まっていた…。


今 正に…


桃太郎が最後の時を迎えようとしていた…


その時…


遠くからおじいさん達を呼ぶ声が聞こえて来た。


「おーーーーーい!!」


聞き覚えのある声。


そして地面を蹴るような連続音…。


誰かが駆け寄って来る事が分かる。


その急ぐような様子に、全員の視線が集中した。


「桃太郎はッ! 何処じゃーーーーーッ!!?」


金時

「…桜?」


足音の主は…


桜だった…。


その手には、中に何かが包まれている風呂敷…


傍らには郷の寺子屋で良く使われているお祓いの練習用の小型妖怪の姿が…


どういう組み合わせなのか分からないし、桜が何をしたいのかも分からない。


何をしたとしても既に手遅れだ…


それは分かっている…


それなのに…


桜が見せるその表情に、おじいさん達は違和感と期待を覚えていた…。


「…諦めるな…」


まるで そう言わんばかりの、桜の表情に…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る