04 運命の時



 そして、その時がやってきた。


 大規模な地割れが発生して、人々が阿鼻叫喚の嵐の中に放り込まれる。


 でも、以前のループよりは被害が少ない。


 それは、


「皆さん、おちついて。大丈夫です! 我々が皆さんを守ります!」

「大丈夫! 皆は私達が守るわ!」


 彼女達が頑張っているからだ。


 彼女達。


 そうシュドとティナだ。


 失敗した。


 ティナは時々胸を押さえて苦しそうにしている。


 でも、きっと他の人達を見殺しにはできないから。


 無理して、頑張っているんだ。


 シュドと同じように泡の様なものをつくって、地割れに落ちそうな人たちを救っている。


 あの話を二人の前でするべきじゃなかったんだ。


 避難していろって言われたけど、俺はどうにも落ち着いていられれなかった。


 ティナの様子が気になったからだ。


 けれど、それがまさか彼女にとどめをさしてしまう事になるとは思わなかった。


「危ない!」


 地面が割れて、落っこちていきそうになったところを、ティナに助けてもらう。

 その代わり、ティナは力を使い果たして、地面の中に吸い込まれていった。


 最後の瞬間、目が合った。


 彼女は俺を責めてはいなくて、安心したような目を向けていた。


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