港区-9
「探偵さん。どうして、あの店に?」
明野巡査は真向かいで美味しそうにパフェを頬張る長四郎に質問する。
「どうしてって」
「知りたいんですけど」
「ふ~む」長四郎は少しの間を置いて「これ、見て」TIKPOKに映った今宮茉由の動画を見せる。
「被害者ですね」
「うん。そんで、手に持ってるの見てほしいの」
「お酒ですね」
「そう。そのお酒なんだけどね。パパ情報によると、ものすごっい高いお酒なんだそうな」
「へぇ~」
「それでパパ活を生きがいにしているオジに聞いたのよ」
そう言う長四郎がパパ活しているオジを恐喝して聞き出したのではないかと思う。
「そしたら、さっきのお店を薦められたの」
「ふ~ん」
「ふ~んって。興味ないの?」
「いや、興味がないというか」
「かぁ?」
「いや、店で聞いた話なんですけど。彼女、オジさんキラーらしくて」
「オジさんキラーね」
「ですから、そのオジさんを探すの一苦労だと思うんですけど」
明野巡査は眉をしかめる。
「成程ね」
スプーンを加えた長四郎は天を仰ぎ、思案し始める。
「じゃあさ」
「はい」
「そのオジさんの中で一番の金持ちに当たってみようよ」
「何で、一番の金持ちなんですか?」
「泉ちゃん。ラモちゃんみたいなこと言うなよ。少しは自分の頭で考えな」
明野巡査はこう秘密主義なところに少しイラッとするのだった。
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