~初恋の章~
第49話高名な人相見
二人の更衣の懐妊とその後の騒動から一年と少々。
内裏は少しずつ落ち着きを取り戻していった。
そんなある日、父帝の命令?懇願?で人相占い師に引き合わされた。なんでも来日した高麗人の中に、当たると評判の
本当に神仏やら占いやらが好きな人だな。
ただし、皇子だとバレたら色々と不味いので、公家の子供とう事にして占ってもらう事になった。
父親役に任命されたのは
カハッ!
ゴフォゴフォゴフォ!!!
人相占い師は、僕の顔を見るなり吐血した。
なんで?
ゴフォ!ゴフォゴフォ!!!
「し、失礼しました。そちらの若君ですが……恐ろしい。」
なにが?
「若君は天に仇なす相が出ております。天帝が定めた運命を覆させ、運命の輪をも変えてしまう恐ろしい人相です」
「い、いや。
あちゃ~~~。
遂に
まあ、訳の分からない事を言われたら仕方ないか。
「国父…?
とんでもない!若君はどう見ての帝位や重臣の相ではありません!『魔王』です!『第六天魔王』の人相でいらっしゃる!」
どこの織田信長だよ!
寺院だって壊してねぇぞ!
寄進している側だ!
失礼な!
この占いの話は瞬く間に広まった。
ただし、占い師の言葉とは全く異なった噂だった。
『御子は、帝位に昇る
されど、そうなれば国が乱れ人臣の心が離れる事態になる恐れがございます。かと申して、朝廷の重臣となり国政を補佐する人相とも違っております。
誠に、これほど難しい人相に出会ったのは初めてでございます』
一つもカスってねぇ!
誰だよ?こんな嘘っぱちな噂流したのは!!!
犯人は直ぐに分かった。
父帝だ。
なんで分かるのかって?
その後、別の噂が流れたからだ。
『桐壺帝は高麗人の
酷く残念に思うが、しっかりとした後ろ盾もないまま無位無官の親王として過ごすよりも臣下の降りて、朝廷を補佐をする立場でいた方が先々安泰でもあり、
しかし、
……ツッコミどころ満載だ。
自分で噂ばら撒いといて「不思議だ」はないだろ!
マッチポンプもいい加減にしやがれ!
しかも、この微妙なニュアンス。
右大臣側が噂を故意の広めたかのような物言い。
あの父帝は、右大臣に何か恨みでもあるのか?
◇◇◇◇◇
右大弁:太政官右弁官局の長。従四位上相当。
人相見:人相を見てその人の運命、吉凶などを判断する。
貴相:尊い地位に上るべき人相。
宿曜道:星占い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます