~北山の章~
第16話桐壺帝、北山に籠る
「やまごもりぃ?(訳:山籠もり?)」
暫く見ないと思ったら、父帝はお山に籠っていた。
いいのか?帝が御所から離れて。
その前に籠ってどうすんの?出家するの?いや、それは無いか。その前に
あの自分本位な父帝なら、ある日突然「帝、やーめた!」とか言ってもおかしくないけどね。
「主上なら、山で
乳母が教えてくれた。
大弐の乳母は情報通だ。
山に籠って祈祷するぐらいなら仕事しろ!
今更なにを悔い改めるというんだ?あのオヤジは!
「主上は
あれ?
病気?
なら
「そのため病回復で有名な北山を訪れていらっしゃいます。名高い
「そう……なんだ」
絶対、直す気ないだろ。
どう見ても愛妻を連れ立ってのバカンスだ。
本当に病気か?
なんだか怪しい事この上ない。
仮病の確立が高そうだ。
きっと『宮中じゃあ、桐壺の更衣とイチャつけないから、煩い連中がいない場所で存分にイチャつこう!桐壺の更衣の気分転換にもなるし丁度良くね?』とでも思って行動したに違いない!
宮中に出仕して真面目に仕事してる大勢の役人に謝れ!ド畜生!
僕が怒り狂うのには訳がある。
この時代は帝を中心に政治がまわっているらしく、帝でしか決済できないものもある。
帝がいないってだけで仕事が機能しなくなる部分が既に出始めちゃってるんだよ!
紙の束が山崩れ起こしてもおかしくない状況とでもいえばいいのかな?
何時帰ってくるのかも分かんないから、来年に繰り越しだと嘆いている公卿はけっこう多い。
宮仕えは厳しい。
休み返上じゃね?
時期が時期だし。
だって今、十二月。
一年で一番忙しい時期だ。
年末の忙しい時に何やってやがるクソオヤジ!
部下を困らせてんじゃねぇ!
このダメ上司が!!!
よし!
親孝行な僕が北山に両親を迎えに行こう!
◇◇◇◇◇
僧都:僧綱(そうごう)の一つで僧正の下にあって僧尼を統轄する。僧綱の二番目。
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