もしも、天使だったら
真原 結花
天使に
小学生の頃、男勝りな私は度々同級生と喧嘩をしては担任の先生に呼び出されていた。それでも懲りずに喧嘩ばかりしていた。
当時の担任はとても温厚で他の先生にもっと怒るべきだと注意されるほどだった。
目がすごく垂れていて顔から溢れ出る優しさが私は大好きだった。
いつだって呼び出されるのは私と私のライバルの優心だった。優心は、かっこよくて女の子に人気だったが、名前とは裏腹に意地悪で私は嫌いだった。
喧嘩の内容はひどく単純で、幼稚園生のいざこざのようなものばかり。
今思えば可愛らしいものだが、当時は真面目に受け取って口喧嘩ばかりしていた。
しかし、子供の成長とは早いもので私たちが小学6年を迎える頃にはお互いに落ち着いて話すことすらなくなっていた。それでも優心はたまにこちらを見ては勝ち誇った顔を私に見せつけていた。
「おい、でぶー!」
歳が上がるにつれて私は優心にたまに容姿をいじられていて、悔しくて仕方なかった。自分でも気にしているからこそ余計に優心の言葉は胸に深く突き刺さる。
目を合わせるのが怖かった。いつもみんなの前でいじられるのが怖かったから。
廊下を歩くのも、椅子に座っているのも、全部他人に見られている気がして、ひどく緊張していた。
あの感覚は今でも私の中に残っていて、何かの拍子に心臓を締め付けて苦しめている。高校生になった今で思い出しては楽しかったような辛かったような自分でもよくわからない感情があふれ出す。
ただ、私は優心への恐怖と同じくらい優心に好意を持っていた。
ずっと優心の天使になれたらと思っていた。いつか本で読んだような思わず手を伸ばしてしまう美しく輝かしい天使に。
そこに存在するだけで優心の目を奪ってしまいたかった。私に夢中になってほしかった。
自分でもわからないけれど好きで好きでたまらなかった。目が合うたびに頭がいっぱいになってしまうほど。勝ち誇った顔さえも愛しさを感じていた。
本当に大好きだったんだ。
ねえ、優心いつか、もしもいつかまたどこかで会えたなら。
しっかりと優心の目を見て言うね。
苦しくて狭くて怖い思いを沢山したけど、それでも私は優心のこと大好きだった。
笑うときに柔らかくなるその目がたまに見せる優しさが本当は誰よりも弱虫で涙もろいところが。優心のすべてが愛おしくていつも輝いていた。
初めての恋を私に教えてくれてありがとう。
ずっとずっと大好きだよ。
もしも、天使だったら 真原 結花 @mayu1130
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