第12話
「我が名はペントランド、『神』だ、貴様その食料を寄越せ」
「……申し訳ないけれど、相手が神であろうとお断りするよ」
「我が『神』であると知っていてそう言うのか?」
それに僕が頷くと、ペンとランド神は顔を歪めて不快感をあらわにしながら、僕に向かって魔術を放ってきました。その威力は今まで見た事が無いほど大きく、詠唱は聞いたことがないもので、おそらく神のみが使えるものなのでしょう。
それでせっかく淹れた茶がカップごと吹き飛び台無しになってしまいました。
慌ててバゲットサンドをカバンに入れて荷物を背負うと、大剣を手に取り戦闘態勢に入りました。
ペンとランド神は、『神』しか使えない魔術を何発も僕に向かって放ってきて、大戦の残骸である兵器を粉々に砕き、その下敷きにならないようその場を離れました。
それを追ってくるペントランド神に魔術を数発放つのですが、効く筈もなく難なく弾かれてしまいました。
その後、「アレガニー」や「ストレング」といった上級魔術を連発してペントランド神の気を引いては、その間に懐へ入り込み切りかかるのですが、服を切り裂き薄く血が滲む程度で大したダメージを与える事はできませんでした。切りかかったその体は人間のそれよりも金属か何かを切っている様な手応えでした。
それからも同じ様に斬りかかろうとするのですが、何度も同じ様にかわされてしまいました。
けれど、かわすという事は切られては困る場所があるということだと思った僕は、何度も同じ様に切りかかりに行きました。
僕も魔術を使って応戦するのですが効いている様子はなく、ただ威力の強い魔術を見るのが初めてなのか驚いていましたが、それでお終いでした。
剣術と魔術を駆使しながらペントランド神に何度も近付いては切りかかるのですが、やはり大したダメージは与えられなくて、ペントランド神は攻撃を受けるとすぐに空へと高く飛ぶので、地面に下りてくるまで待つのに時間がかかりました。
明らかに人間に対しての戦い方に慣れた様子で、このやり方できっと何人も犠牲になっただろうと考えると、僕はそうはなりたくないと思い、ただひたすらに攻撃を続けるしかありませんでした。
そして空を飛ぶのが本当に鬱陶しかったので、なんとか地面に叩き落とす事はできないかと、半分賭けの様な気持ちで炎の魔術「アレガニー」を自分の足元で発生させ、その爆風に乗ってペンとランド神と同じ高さまで飛ぶと、その体を大剣で思い切り叩きつけました。
地面に落ちてきたところを頭を剣で叩いて昏倒させて、慎重に様子を見ながら空を飛ばれると手の出しようが無いので、二度と飛べない様にと剣を使ってもぎ取るように翼を引きちぎって、そこからの出血と落ちた衝撃でついた傷からの少ない出血と、昏倒させクラクラとする頭で翼がもがれた痛みに地面に這いつくばってジタバタと暴れていました。
僕もペンとランド神もお互い、息も絶え絶えの状態でした。
そうしていると痛みから目を覚ましたペンとランド神がもがれた金色の翼を見て呆然とした後、僕に向かって、
「……こんな惨めな姿、他の者に晒せるか……殺せ」
と言ってきたので、苦しまない様にととどめを刺しました。
流石に『神』だけあって、とどめを刺すのも一苦労でした。
そうして、やっと昼食にありつけると思ったところで、騒ぎを聞きつけたザイベリーの騎士団や軍属達に囲まれ、周りを見れば僕の放った魔術とペントランド神が放った魔術とで辺り一面焼け野原のなってしまっていて、結局バゲットサンドは食べれずじまいでした。
「神を殺すなんて!なんて事を!」
きっと僕は自分のとペンとランド神との血でひどい有様だったと思います。ザイベリーの「ユージアル教」の人達にそう言われて、騎士団らしき人間に身柄を拘束されると、そのままビオラルの牢に入れられて、その後ザイベリーの王都へと移送されて死刑を待つだけでした。
それをシャーリー様に助けていただきました。
そして今に至ります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます