人の記憶、というのは機械の記録と違い、忘れもするが思い出しもする。
何より事件事故において、記憶より引き出した人の証言よりも機械の記録のほうが、証拠能力は高い。
人の記憶とは厄介なもので、自分の顔を自分で見れないように、自分の記憶が正しいのか、確認できないこと。
記憶を知らぬ第三者が外からあれこれ言えば、それが正解だと信じてしまう。
どちらが正しいのか、内に外にと軋轢をかけられれば狂う、狂わされる、壊される。
人間、そうであるとする私見が先走り、正しいと認識してしまう。いや、この作品はそのような流れを誘発してくる。
確かにホラー定番の展開はあるだろう。
あるだろうが、物の見事に誘発させ、流れに乗せさせるのは秀逸である。
確かに、愛ほど狂った感情はない。
されど、愛ほど負けない感情もない。