第8話―前悪の呪い08―
いきなりのお願いにエスティマの返事。
『こんな傭兵に教授を仰ごうとするな。オレよりもマシな奴にしろ。ほら他を当たりな』
自分が生粋の戦士で無骨な戦士。傭兵として
まず上達するために通るべき正道な剣術を学はず戦場で見て学んで実践して身につけた剣。
我流に
突き放すような返答されシザーリオは別れを告げて村に帰っていた。哀愁を漂わせる騎士を憧れる青年の背をただ見つめて。
冷たいヤツだろうと思っただろうと自虐的な嘆息をして彼は剣の素振りを始める。
そして翌朝の村の出入口で緑髪の青年が探し人を見つけて近寄る。
「どうか、この無力な私に教えを。ご指導ご
「…あのなぁ、なんでオレなんか頼むんだよ。ベースキャンプにヒマをもてあそぶ騎士に指導を受ければいいだろ!」
「それは…色々とありまして」
「揉めたのか?」
「えーと、はい。そんなところです。そんなことより剣を教えてください。
いつも自主練してばかりでは上達が出来ずにいるんです」
騎士の頃も戦力外通告のあとも日々、鍛錬を欠かさずにしていた。そんなシザーリオに
傭兵は目を鋭くさせて吟味。
その言葉には事実か真かを観察していた。
沈黙が訪れて、しばらくして冷たい風が吹いて止む。
「少なくとも利己心は無さそうだな。
構わねえがオレは指導官じゃない。だからオレ流を殴りぶつけるが、それでいいなら引き受けてやろう」
エスティマが根負けしたと騎士では無くなった青年はそう判断する。
傭兵の心境は、真っ直ぐでひたむきな向上心に心を打たれて動いた。
こうして武人エスティマを師事することになるのであった。
食事を簡単に済ませて鍛練をさっそく始めることになる。
どうしてシザーリオは彼を師として技能や能力を伸ばすのに教えを求めたのか?
彼の目からエスティマの戦いには騎士には無くて、荒々しさがあり、無駄を排除した実用性の動作を持ち合わせていたからだった。
「それでエスティマどこで修行を?」
「あぁ?あっー、そうだな。村の外にある平原で修行をするぞ」
「はい!エスティマ」
「思ったんだが、師匠とか呼ばないんだな」
「そうでした。これはご無礼を、それでは
改めて師匠よろしくお願いします」
「どう呼んでも構わねぇんだが」
アーチ状に作られた簡易な出入口を出ていき歩を進める。トレーニングをするのは村の南部にある
ここを選んだのは魔物や賊の襲撃されないよう軍のいるベースキャンプの近く。
「よし。ここから一体一の戦いか。それじゃあ相手をお願い致します」
促されるより彼は抜刀して構えを取ってみせた。精神を研ぎらせて燃やしていく。
戦意を炎ように高めていくシザーリオは
「いや、その勝負は乗らないつもりだ」
「えっ?」
「まず基礎的なところから。素振り二千!」
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