143――舞う丼鉢

 丼鉢が舞っていた。

 薄切り牛肉、とんかつ、天ぷら、鶏肉と卵などが散っていく。

 早く取らなければ中身が……。


 ここはランチガチャ食堂。本日のメニューは丼もの。五百円で店内に舞う丼鉢をひとつ取れる。

 俺は丼鉢を取るのに手こずってしまった。

「ちくしょう! 米しか残ってねぇ!」

「毎度! ドンマイ!」

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