133――魔法のライト
「曇ってるし」
山頂の夜空は雲に覆われていた。
「うっすら月が見えてるから大丈夫だよ」不満げな彼女に対し、彼は笑みを浮かべ棒状のものを取り出す。「魔法のライトさ」
彼がそれを空に向けると、一直線の光が月まで届いた。すると月を中心に雲が霧散し、無数の星が煌めいた。
まるで線香花火のように。
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