幸運な子供

雨上がりの空

1番目の幸運

僕の一番古い記憶は3歳の時。


お兄ちゃんと近くの公園で鬼ごっこしてた。




僕は夢中で逃げて、お兄ちゃんに捕まりたくなくて公園を抜け出した。


お兄ちゃんは、僕よりずっとずっと大きくて足も早いから、僕はすぐ捕まっちゃう。


僕は後ろを振り返らずに、

必死で、必死で、必死で逃げたんだ。






僕の後ろの方で






ドーーーン!






っていう大きな音が聞こえたんだ。




ビックリして後ろを見ると、大きなトラックが止まってて、道路には真っ赤な血がいっぱい広がってた。




お兄ちゃんは車に轢かれて死んだ。




これが僕の一番古い記憶。

僕が幸運な子供になった最初の日だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る