第12話『まったく、何をしているの』(連続33話)




 ***



 勢花は帰宅後、自室に籠もって「ん~!」と眉根を寄せつつ、ベッドの上であぐらを掻いて座りこむ。スカート姿なのではしたないとは思うものの、月旦と別れた後に考え込んでしまうことしきりで、実家――自室で荷物を置くや、悩みという漠然とした形で噴出したのである。


「東郷先輩、何考えてるのかしら」


 この一年、剣道部で指導を受けたことは、初期の数ヶ月。それ以後は自然と技術的な上位者たちとそれ以外のグループに別れていったために、ご無沙汰であった。それでも筆頭の腕前を持つ重美は、数十人いる部員のなかでもなにかと勢花に気と言葉をかけてくれていたと思う。

 ――それが、同じ一年という中、腕前は段持ちと言われる毬谷円佳の気に障っていたのかもしれない。重美を尊敬する円佳にとって、いちばん目を掛けられるべきは自分と考えていたのは、勢花自身、肌でうすうす感じていたところだった。それが確信に変わったのは、実は剣道部をクビになり、あれよあれよと月旦と出会い、試験勉強をじっくりとしているときであった。

 物事の段取りを組んで考える内に、頭の中に「あ……」と去来したのだ。


 そのあたりのしがらみを、クビを言い渡される前に知っていたとしたら、まだことの顛末は簡単であったかもしれない。負けず嫌いの勢花のことだ、きっと円佳の言葉の裏にあるものに気が付き、食い下がることこの上なかったかもしれない。彼女の『おためごかし』に流されることなく、食いついたであろう。

 しかし、それに気が付かず、密かに自分の成長に思い悩んでいた勢花は彼女の言葉をそうであろうと信じ、伸び悩む自分から逃げる免罪符のように受けてしまったのだと言うことも、今なら分かる。痛いほど、分かる。


「ん~!」


 腕を組み、あぐらを掻いたまま唸っていた勢花だが、今回の一件に繋げるに至り、重美の行動がなかなかに読めなかったのである。


「腕比べしたいのかなぁ」


 あぐらのまま靴下を脱ぎ放りつつ呟いたその言葉こそ、実は的を射ているのを彼女は知らなかった。

 武道の段位、あわせて数段という東郷重美の、単なる興味。

 その筋では有名だったとされる、辻流剣術。その後継者でもある月旦が、諸田一刀流剣道を修める円佳から、戯れとは言うものの、一本取った。その興味に、武道家として我慢ができなくなったのだろう。

 しかしそのあたりの事情は、勢花には分からない。

 結局のところ、新年度が始まる前までに形の練習と立ち会い稽古をこなすしかなくなったわけである。


 足を投げ出し、両足の指をニギニギとし、ベッド脇に立ち上がる。

 枕元に横掛けにしてある木刀を手に取り、部屋の中でスっと構える。

 正眼からコトリと切っ先を倒し、正中線からブレぬ、柔らかく添えられた手の内で、刀身を体側に沿って振り上げる。

 左と、右。

 ゆっくりとこなされる、ただそれだけの素振り。

 動きの意味を考えながら、意識しながら、ただそれだけをこなしてきた。

 試験期間中、勉強の妨げになるからと、これだけしか教えられなかったものを、朝晩汗だくになるまで繰り返してきた。けっして急がず、怠けず、両手で柔らかく締める、力を抜いた全力を込めて。

 それを、裸足になっただけのセーラー服姿で繰り返す。

 百。

 二百。

 あの尚武堂で月旦が受け流した、あの姿を思い浮かべ。

 ――形の披露は、わたしがやるわ。

 そう言った月旦の顔を思い浮かべ、ひと息ついて汗を拭う。


「わたしも頑張らないとね。動きは崩さず。楷書で、丁寧に」


 楽しかった。

 作り込んできた体は、やはり彼女を裏切らなかった。

 未だに剣術が何であるか良く知らなかった勢花だが、実際にタイミングを見計らい月旦が打ち込んでくる木刀を受け流したときは、力を込めていた臍下三寸がぶるりと震えた。

 剣を振る基礎がしっかりできていると、月旦に褒められた。

 それだけで。いや、あの公園で抱かれたときから部そのものには執着がなかったのは、今では自覚ができる。

 彼女が望むなら、再び自分を必要としてくれた彼女のためならば、恩を返すことは吝かではなかった。


「ふぅ……」息を整える。「あとはやるだけ……よね」


 さて、その前に。

 やらねばならぬことがあった。

 階下から、買い物帰りと思わしき母親の声が聞こえてくる。

 その呼び声に、鞄の中から答案用紙と通知票を出しながら、木刀を枕元へと納める。


「こ、これがある意味、クライマックスよね」


 親への成績公開。

 月旦からも「くれぐれも」と頼まれていたものである。


「ん~! ……さ、行くか」


 彼女は向かう。一年を締めくくる最期の戦いに。







「ただいま」


 月旦は重くなった空気に仕切り直しをと考え、タコヤキの約束を午後の昼下がりに改めた。まずは身支度を調え、落ち着いてから後、今後のことを話し合おうと勢花と約束しあったのだ。

 玄関を潜り、鞄を手に、まずは仏間へと赴く。

 祖父の遺影に線香を、そして手を合わせ、瞑目。

 東郷重美の思惑は、はっきりとしている。

 意地の悪い邪魔をするつもりはないが、面白い相手であって欲しいという、いわゆる格技系の達者が持つ一種の病気である。術理に明るいと言うことは、同業他流の術理にも目端が利きやすくなると言うことだ。


「お祖父ちゃん」


 他流派との闘いそのものに興味はない月旦であったが、祖父の辻流剣術の根底にあるものは、即、命を遣り取りする類の厳しいものだ。

 剣道は竹刀術であるという言葉そのものは、祖父からの受け売りでもあった。

 受け売りのままでは、いけない。

 祖父との記憶と、彼が書き残した日記という形式に似た伝書をもとに、月旦は辻流剣術とは、古流剣術とはどのような物であったのかを知るために、向陽高校剣術部を戸田勢花と共に作ったのだ。

 だから、いつまでも受け売りではいけない。

 しっかりとした術理の研鑽をふたりで行っていこうと、そう思った矢先のことであった。

 剣道部、とりわけ毬谷円佳の思惑は、月旦――剣術部への意趣返しがメインとなるだろう。立ち会いにおいて、剣術部へ一矢報いる以上に、敵わぬと思い知らせることが主目的であるはずだ。

 中途半端では、済ませられない状況であった。


「お祖父ちゃん。――また、日記をお借りいたします」


 直り、祖父の遺品を整理してある机の引き出しに手を掛け、引く。


「あら?」


 違和感があった。

 妙に軽い手応えと、あるべき物がない、からっぽな空間。

 確かに仕舞ったはずの古い手帳が、数冊、ごっそりとなくなっている。


「………………」


 目が据わり、引き出しをゆっくりと閉める。

 袖机にも目を通し、目的の物がないのを確かめ、押し入れの桐箱を開ける。


「………………」


 祖父が着ていた浅黄色の着物をはじめ、帯や羽織、袴などに手は付けられていない。月旦は仕舞い直しながら、もういちど大きく深呼吸する。真新しい防虫剤の臭いが、確信へと後押しする。

 仏壇の前に鞄を置いたまま、踵を返すと、玄関からサンダルを突っ掛けてそのまま施錠もせずに小走りに裏手へと向かう。

 竹林の手前で一瞬立ち止まり、薄暗い小道を駆け足で向かう。

 祖父の道場……その手前で曲がるその先は、神社の社務所である。

 ふと目を留める。電力のメーターはゆっくりとまわっていた。月旦の父は年度明けの諸作業のために詰めている様子だ。

 社務所に勝手口はない。さらに表へと回ると、引き戸に手を掛ける。


「月旦か」


 慌ただしい足音を聞いて察したたのであろう。父は娘を玄関先で出迎えるように廊下を歩いて声を掛けてこれを制止する。


「お父さん」


 その据わった眼差しからさらに察した父は、溜息混じりに手を腰に当て、静かに彼女を見据える。


「部活動を作ったそうだね」


 どこから流れた話なのか、月旦は一度頭を冷やすように身構える。


「作ったわ」

「剣術部か。どうしてそんな物を作ったんだ」

「お祖父ちゃんの剣術を学びたいからよ。だって、うちの道場だと、お父さん、反対するでしょう?」

「そりゃあする。お父さんは月旦にチャンバラなんかやって欲しくないんだ」

「チャンバラじゃないって言ってるじゃないッ」

「おなじだ! あんな物を振り回して、女の子が。いいか月旦、お前は女の子なんだぞ? 普通の女の子が真剣なんかを振り回すか? 外で木刀を振り回すか? 部活ならしっかりとした剣道部があるじゃないか。なぜ危ない剣術なんか学ぼうとする。お父さんは反対する。お前はまだ子供だ。人に怪我をさせるような勝手は許さない。従いなさい。部活動は認めない。学校には無くすよう求める」

「そんな、勝手よ! だいいち、学校側からはちゃんと認められて顧問の先生までついたのよ? それに、怪我をするような練習はしないわ!」

「そんな中途半端な練習なら、しない方がマシだ。そうじゃないのか?」


 その通りだった。

 月旦自身、練習の内容は、やや控え目に言った節があると自覚している。

 それに、妻の実家と交流があった父自身、受け売り程度だが、その道の厳しさは知っている。娘の考えが甘いものであると突き詰めれば、いくらでも大人の理屈でねじ伏せられるという確信もある。

 どのみち、彼女はまだ子供で、彼はまだ保護者であるのだ。


「自分の子が、他人に怪我をさせる可能性があるのは見過ごせない。いいか? あれはしっかりと人を殺せる武器なんだ。おもちゃじゃないんだぞ?」

「…………っ」


 頭に血が上りかけたが、やや話のかみ合いが掴めずに、一呼吸置いて尋ねてみることにした。


「お父さん、お祖父ちゃんの日記は?」

「……日記?」


 今の状況下で、娘の口から出てくるとは思わなかった単語に、思わず父はキョトンとする。構えていた気迫がそれで霧散するあたり、心配はすれども娘を邪魔しようという底意地自体はない様子だ。


「いや、知らんが。無くなったのか?」

「……じゃあいったい誰が?」


 考え込み始めた月旦だったが、その次に続いた父の言葉に今度こそ目を剥いた。


「わたしが差し押さえたのは、刀のほうだ。あれは本町の刀屋さんに預かって貰うことにした」

「あれはわたしがもらったものよ!?」

「まちなさい月旦!」


 弾かれたように玄関を飛び出す月旦を追うように、父も雪駄を引っかけて飛び出すも、彼女の背中は竹林の先に消えている。


「あの馬鹿娘……!」


 足を止めた父は、大きくため息をつき、娘を追わずに部屋へと引き返す。娘は道場へと向かったのだろうと、落ち着いて事務所へと向かう。

 和室で十畳ほどの広さの奥に、さらに四畳半ほどの洋室がある。

 洋室は整然と整理され、事務で使うパソコンと、複合機、印刷しまとめられた書類等が見受けられる。その山の向こうに、立てかけられた一振りの刀がある。月旦が継承した、彼女の祖父のものだ。

 月旦は道場に納められているこれを探しに行ったのだろうが、信用のおける刀屋へ保管を依頼するために、先んじて確保したものだ。彼女が道場に行っても、空の刀掛けがあるのみだ。

 そして、直ぐに戻ってくるだろう。

 父は刀を左手に提げ、これから起こるであろうことを重く嘆きながら、それでも背筋を伸ばし、玄関へと向かう。

 雪駄を履き、社務所を出たところで、息を切らせた娘が走り寄ってくるのを見た。


「月旦」

「お父さん、その刀……どうするの?」

「さっきも言ったように、本町の刀屋さんに預かって貰う。月旦が二十歳になったら、そのときに返して貰うと良い。そのように話は付けてある。大人になったと判断できるまで、駄目だ。これは、お父さんが決めたことだ」

「ひどいわ! 返して!」


 手を伸ばす月旦から刀を隠すようにすると、娘の伸ばした手が空を切る。


「駄目だ。これは危ないものなんだ。親に内緒で部活動を作るような子には預けられない」

「それとこれとは別でしょう!」

「同じことだ。ひとつのことを隠そうとしたら、お前はまたもうひとつ、さらにまたひとつと嘘を重ねる子になる。特に、このわたしが反対してるのを理由にして、お前は部活動で何をしようとしている? 聞いたんだぞ、お前が街中で同じ学校の子を木刀で脅かしたそうだな」


 キッと見据える父の眼差しの力強さに、月旦は一歩後じさる。気圧されたと言って良い。あのときの尚武堂での一件が伝わっていたからこその、今回の父の行動なのだ。

 正当性と、父性に裏打ちされた、いかにも神職の持つ真っ直ぐな視線に、月旦はさらに一歩、たじろいだ。


「誰に聞いたの?」

「毬谷道場の人にだ」

「毬谷さんが?」


 実際には、毬谷円佳自身からではないのだろう。彼女はあの立ち会いを自分の恥と思っているはずであり、それを吹聴するような真似は、たとえ月旦の立場を貶めようという目的があったとしても、するような少女ではないはずだった。

 だとしたら、誰が。その思索を遮るように、歩き出す父。


「恥ずかしかったよ。自分の娘が、道場の、しかも剣道部の同級生に、得意気に木刀を打ち込んでいたなんて聞いて。お父さん、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだったんだよ」

「お父さん、違うの、違うのよ!」

「ともあれ、部活は禁止! 道場も出入禁止! 木刀も、真剣も、振らないでよろしい!」

「ひどいわ! わたしからお祖父ちゃんの思い出を取り上げるの!? 小さいわたしに何もしてくれなかったくせに!」


 痛いところを突かれた。

 月旦は、お祖父ちゃん子だった。

 それは、月旦の父も、母も、彼女の面倒を祖父に押し付けていたからだ。

 実際には違ったかもしれないが、そのときの彼ら彼女らは、後ろめたく思っていたのも事実であり、祖父への負い目であったのは事実。

 祖父は嫌な顔ひとつしなかったし、それ以上に月旦可愛しと甲斐甲斐しく見ていてくれたこともあり、甘えていた部分はある。

 そこを、突かれた。

 もはや返せぬ借りを、突かれた。


「そんな風に思っていたのか――」と、思っていないはずはないという気持ちを押し込んで、父は呟く。


「返して……」と、思っていないことを言ってしまった気持ちを隠して、娘はすがりついた。


 果たして、父はその手を振り払った。


「駄目だ。これは、家においておけない」

「お父さん!」

「しつこいぞ。大人になったら返すと言っているじゃないか」


 家の方へと歩く父に追いすがり、月旦は言ってしまった罪悪感からその手を強く掴めずにいる。

 竹林の入り口にさしかかったとき、ふと、父は足を止める。その視線の先に一本だけ竹林から離れて植えられた竹の……あの吹き抜けがあった。


「こんなものが…………」


 据わったのは、父の目のほうだった。

 その竹に、その削れた幹を見せる竹に、どれほどのものがあるのだろうか。


「お父さん?」

退きなさい」


 娘を押しのけ、何を思ったのか、彼はその吹き抜けへと、竹の元へと寄る。そしておもむろに左手に携えた真剣を右手で抜き放つ。


「お父さん!?」

「こんな、この竹も、思い出も、必要ない!」


 月旦が「やめて」と言う暇さえなかった。

 逆袈裟に振り上げられた刀は、素人握りの力任せの動きのまま、腰の上ほどにある竹の節へと斜めに振り下ろされたのだ。


 ――ガツッ!


 乾いた音とともに、鈍色の鋼が半ばまで食い込む。間合いを見誤ったのか、鉈で叩き斬るように、鍔元から三十センチほどのところが幹に噛まれている。


「いやぁああ!」


 そして、今度こそ、月旦は父の腰にすがりついた。

 その竹から引きはがそうと躍起になり、打ち下ろしたほうの父も、自分がしでかしたことに頭が真っ白になっていた。


「返して! 返してよ!」


 自失となった父を押しのけ、幹に食い込んだまま、宙で使い手を待つ刀の柄に、恐る恐ると触れる。

 下手に力を加えると、しなやかで強靱な竹に噛まれたままの刀身が傷つくか、折れてしまう。

 月旦は、竹をやや押しのけつつ、刀を引き抜こうとする。

 刀身は、力任せの素人の打ち込みにしては、真っ直ぐ斬り込まれていた。もの自体も素晴らしいのだろうか、刀身に傷はなく、欠けてもいないように思えた。

 竹も大事だが、刀も大事だ。

 思い出を両天秤に掛けながら、月旦は、涙でぐしゃぐしゃになった顔を拭おうともせずに、少しでも噛みが緩くなるよう竹を押しながら、柄を小刻みに引いている。

 刀身の刃、薄い場所に負荷がかかる瞬間、思い切って幹を強く押し込み、刀身を引き抜いた。

 やった!

 そう思い、一瞬、喜色を浮かべる月旦。しかし、その顔色はミシリという音にかき消える。

 声もなかった。

 そびえた竹の先葉が、陰り始めた空を掃くように、倒れて往く。

 ミシミシと加速度を上げ、斬り込まれた傷痕を広げながら、月旦の竹は、儚くも竹林との狭間の道へと折れ伏した。


「うそ」


 ペタリと、月旦はへたり込む。刀を握る手は緩み、両腕は虚空を掴むように幹に伸ばされる。

 しかし完全に倒れ伏した竹は、しなやかだっただけに、今もなお、その繊維をはじけさせながら、断裂をしていく。


「…………」


 しまった。

 そんな顔をしているのは、父である。

 ある意味、彼の負い目を象徴する竹を目にした瞬間、火がついたように手に掛けていた。思いのまま斬り込み、その衝撃の強さに我に返った。


「お祖父ちゃんの竹が……」


 呟く月旦。

 その言葉に、自失であった父の目に、やや光が戻る。

 月旦のそばの刀を拾い上げ、注意深く鞘に納める。


「卒業するんだ。剣術も、お祖父ちゃんからも」


 すたすたと、そう言い残していく父。

 今度は、自失となっていた月旦の目に光が宿る。

 凶悪なドス赤い、見せてはいけない光だった。


「お祖父ちゃんを、刀を返して!!」


 踏み込み、速度、どれもが本気だった。


 月旦は父に掴みかかり、腕を極め、ねじり上げるように刀を奪い取るだろう・・・


 足蹴にし、踏みにじり、押さえつけ、有無を言わさぬうちに無力化させるだろう・・・


えいッ」


 その月旦の体が、綺麗な孤を描いて宙を舞ったのは、そんな未来が彼女の目に見えた瞬間のことであった。

 静かに飛んだ月旦の体が、しかし激しい音を立てて生け垣に叩き埋められた瞬間、刀を手にした父もさすがに驚きを隠せぬ様子で振り向いた。


「まったく、何をしているの、貴方あンたたちは!」


 果たして。

 そこには、月旦の母がいた。

 そこには、彼の妻がいた。


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