太陽の日差しがベットの上で寝ている奈々子を照らしていた。

ベットの横には奈々子の右手をぎゅっと軽く握りしめながら奈々子の顔を眺めている妹の愛菜が居た。

ガラガラと病室の扉を開け、准が入ってきた。それに気づいた愛菜は奈々子の手を離し椅子から立ち上がった。

「奈々、まだ目覚してないか？」

「うん」

そう話していると、また病室のドアが開き奈々子の父親の智と母親の純子、そして主治医の大庭が入ってきた。

「あら、准くん居たのね。毎日来てくれてありがとね」

と奈々子の母親は微笑みながら言うと准は、少し俯きながらボソッと言った。

「奈々がこうなったのは俺のせいでもあるし」と。

すると、奈々子が目をゆっくりと開けた。それに気づいたみんなは、奈々子のベットを取り囲んだ。奈々子が目を開けきると

「ここ、どこ...」

と小さな声で呟いた。すると主治医の大庭が、奈々子に話しかけた。

「ここは病院の病室です。私はあなたの主治医、大庭と申します。起きて早々に申し訳ないのですがこれ、何本に見えますか答えてもらってもいいですか？」

と言って指を三本指にして奈々子に見せた。奈々子は

「三本」

と言うと先生は続いて奈々子に質問した。

「そうです。じゃあこれは？」

「一本」

「正解です。ではご自分の名前は言えますか？」

「柊奈々子」

「そうです。年齢についてはどうですか？」

「十七歳です」

「当たりです。じゃあこの人は誰かわかりますか？」

先生はそう言いながら母親を前に出した。すると奈々子は

「柊純子、私のお母さん」

と答えた。

「ではこのお二人のことは答えられますか？」

次に左に父親、右に妹をを前に出し奈々子に質問した。

「左が父親の柊智、右が妹の柊愛菜」

「そうです！じゃあ次は...」

と先生が言いかけるとそこに奈々子の親友、山谷 彩と川谷 琴子が入ってきた。すると二人は、「奈々！」と言って勢い良くで奈々子のもとに近づいた。

「この二人は？」と先生が訊くと奈々子は、

「親友の、山谷彩と川谷琴子です」

奈々子がそう言うので、先生は彩と琴子の顔見ると彩が

「柊奈々子の親友の山谷彩と川谷琴子です！」

それを聞いた琴子は

「そうです！」

と言ったので先生は、

「じゃあ、最後にこの人は？」

と准を前に出した。

准は、これなら大丈夫と思いながら前に出た。すると奈々子は、

「わからない。ずっと気になってたの、あなた誰ですか？」

奈々子ははっきりと言った。その場にいた人はみんな目を丸くした。すると先生は、

「ほんとに分からないんだね？嘘はついてないんだね？」

そう訊くと、奈々子ははっきりと、

「はい、この人は知りません。」

と言い切った。