無能力者による努力の証明

貴公子

第1話

「次の者前へ出てきなさい」


「はっはい!」


「君のジョブは剣士だな

スキルはブレイブスラッシュだ」


「ありがとうございます!」



今日は成人の儀式の日だ

俺を含めてだいたい20人くらいの今年15歳になる子供がジョブとスキルを授かりに来る。

ちなみに俺の名前はリク

両親が死んでもう4年

なんとか良いスキルとジョブを授かって冒険者になってこの村を出ていくんだ。


「次の者前へ出てきなさい」


「はい!」


「おぉ!君のジョブは勇者だ。スキルは精霊の加護。こんな村から君のような優秀な人間が出るとは驚いたよ。」


「当然です」


こいつはセイン。村1番のイケメンでみんなからの人気もすごいんだ。


「おいリク。俺はお前と違って優秀だからな。勇者だぞ。どうせお前なんて剣士ぐらいにしかなれないだろうな」


「それはおめでとう。俺のことは気にするな」


「何よ!せっかくセイン君が心配してくれてるのにその言い方はないじゃない!」


こいつはハナ。いつもセインと一緒にいる。


「そこ静かにしなさい!

次の者前へ出てきなさい」


おっついに俺の番だ


「君のジョブは格闘家だ。まぁ頑張りたまえ

スキルは、ん?努力?

どういうことだ?見たことも聞いたこともないぞ」


「効果なども分からないのでしょうか?」


「いや努力の邪魔を排除するとしか書かれとらん。私にもこれだけではなんの事だかさっぱりじゃ」


格闘家なら攻撃スキルがないと意味が無いというのに。まぁ仕方ないか


「ふん!やっぱりお前は雑魚だったな。格闘家のくせに攻撃スキルも無い。しかもスキルは努力だと?そんなもの俺でもできるぞ」


確かに努力は誰にでもできることだ。わざわざ努力をスキルでする意味が無い

いや待てよ。努力の邪魔を排除する

つまり限界値を超えて修行できるし、あらゆることを身につけられるということか。

これなら・・・


「お前みたいな雑魚はこの村にいらないんだよ。さっさと村を出ていけ。」


人気者のセインがそういうと周りのものはどんどん出て行けと言い出した

そんなこと言われなくとも出ていくというのに。


「あぁ言われなくとも出ていくさ」


まずは修行だ。この村の近くの山で修行をしよう

いつか必ず最強の冒険者になってやる。


後に救世主と呼ばれるこの男の物語はいま始まる

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