第8話 転ぶ流れ星
夜、バイト帰り。アパートの階段を上るところで、偶然山城さんと会った。
「どこ行くんですか、こんな時間に?」
山城さんはどこか焦っているようだった。
「流星群が見えるらしいの。空一面の流れ星!」
ふろ上がりなのか、髪が乾いてはいなかった。しかし、服装は黒のロングスカートといい、上品な身なりはいつもと変わりはしない。そんな山城さんが、流れ星!なんて言う姿はどこか不自然だった。
「急いでいるの、どいて!もう終わってしまうかも」
そう言い、ぼくを追い越して急いで階段を下っていく。一心に暗闇に向かって走る山城さんに不安を覚えた。
「危ないですよ。女性一人でこんな時間に」
はッとこちらを振り返る山城さん。
「大丈夫」
なぜか、笑顔だった。
「ぼくも、一緒に行きましょうか?」
そう言うと、山城さんは少し困った顔をする。そして少し悩んだ後、
「それじゃ、願い事をかなえる必要が無くなってしまいます」
走る山城さんは暗闇に溶け込んでいった。どういうことだろう。ぼくがいると邪魔なのだろうか。
20秒で読める超短編集 秋津 心 @Kaak931607
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