第4話 大会後の決断
夏の大会が終わり、新チームで、秋季大会に出るとの監督の言葉通り、俺達三年生は、後輩達の手伝いとして、グラウンドに来ていた。
そんなある日のこと。
洋一の姉である美保と洋一が、グラウンドの外野で言い合いしていた。
「ねぇ~洋一、あんた歌舞伎やりなさいよ!」
どうやら、姉の美保は、洋一に、母方の祖父が襲名した名前である彦左衛門を継いでくれと言っていた。
母方の祖父の名は、野村彦左衛門という名で、女形を長年勤めた。
人間国宝とも称された彦左衛門だったが、一つだけ、テレビに出ても言わないことがあった。
実は、彦左衛門は、元女性だった。
だからこそ、女の子2人ということにガッカリしたらしい。
洋一(弓華)が、野球をやりたいからと、歌舞伎は、やらないと決めていた。
しかし、夏の大会が終わり、進路を決めるということになり、家族からは、このままだと彦左衛門の名が無くなるから、洋一が、彦左衛門を襲名してくれとのことらしい。
洋一の両親からそう聞いた。
洋一の決断とは?
と思っていたら。洋一が決意したらしく、帰って来た。
どうだった?と聞いたけど。
返事は無かった。
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